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1992 年度 実績報告書

食餌性アレルギーにかかわる市販乳製品中のアミノ-カルボニル反応生成物の検討

研究課題

研究課題/領域番号 02680083
研究機関東海学園女子短期大学

研究代表者

加藤 保子  東海学園女子短期大学, 生活学科, 教授 (10082356)

研究分担者 松田 幹  名古屋大学, 農学部 (20144131)
キーワードアミノ・カルボニル反応 / モノクローン抗体 / 市販殺菌乳 / スキムミルク
研究概要

本年度は、乳糖ーリジンのアミノ-カルボニル(A-C)反応生成物に特異的なモノクローン抗体(L1,2)を用いて、スキムミルク、各種殺菌温度の市販乳および乳製品におけるA-C反応タンパク質の検出の試み、更に加熱によるA-C反応タンパク質の変化を調べ、次のような成果を得た。
1. スキムミルク6種類を購入し、A-C反応タンパク質の検出を試みた。各標品中のタンパク質とL1,2との反応性をELISA法で比較したところ、全てのスキムミルクからA-C反応タンパク質を検出した。6種類の標品のうち鉄分を強化したもののELISA値は顕著に高かった。スキムミルク中のタンパク質をSDS-PAGEで分離し、Protein-Blottingによりニトロセルロースシートに転写し、L1,2およびperoxidase標識抗マウスIgGを用いた免疫染色により、乳糖と反応した各種乳タンパク質を検出した。乳糖との反応性の高かったタンパク質は、casein、α-lactalbuminおよびβ-lactoglobulinであった。
2. 低温殺菌乳、高温殺菌乳、超高温殺菌乳(63,85,130,140℃)の市販殺菌乳および鉄分添加乳飲料2種類の計19種類を購入し、L1,2を用いたELISA法によりA-C反応タンパク質を比較した。低温殺菌乳では乳糖と反応したタンパク質はほとんど検出されず、超高温殺菌乳および鉄分添加乳飲料のELISA値が高かった。また、Protein-blottingによると、市販乳中でも乳糖と反応してたタンパク質はほとんどcaseinであった。
3. 乳酸飲料、練乳等乳加工品11種類を購入して上記同様の実験を試みた。乳酸飲料のA-C反応タンパク質は、標品によって異なった。練乳のうち加糖練乳のELISA値は低く、無糖練乳の値は極めて高かった。ELISA値の高い標品の乳タンパク質は重合化したものが多量に検出した。
4. 市販乳を沸騰水中で長時間(60 min)加熱すると、顕著にA-C反応生成量は増加した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松田 幹,加藤 保子,中村 良: "食物アレルギーと成分間反応" 食品工業. 35. 42-52 (1992)

  • [文献書誌] Yasuko KATO,Tsukasa,MATSUDA,Ryo NAKAMURA: "Improvement of Physicochemical and Enzymatic Properties of Bovine Trypsin by Non-enzymatic Glycation." Biosci.Biotech.Biochem.57. 1-5 (1993)

  • [文献書誌] Tsukasa MATSUDA,Hiroshi ISHIGURO,Iwao OHKUBO Makoto SASAKI & Ryo NAKAMURA: "Carbohydrate Binding Specificity of Monoclonal Antibodies Raised against Lactose-Protein Maillard Adducts." J.Biochem.111. 383-387 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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