研究概要 |
野球スポ-ツ少年団団員の形態(身長、体重等)や体力(握力、背筋力等)運動能力(50m走、時間往復走等)は山梨県下でも、全国交流大会に参加した団員でも全国平均値をほぼ1学年上回る結果であった。スポ-ツに対する態度はスポ-ツ少年団団員は非団員に比較して意志性、情緒性、身体性、社会性のいずれにおいても35点満点中2〜3点高く、阻害性は逆に低く、スポ-ツに対して好意的な態度が形成されている状況が窺われた。また、スポ-ツの志向性は非団員では競技志向よりレクレ-ション志向が意識、行動の両面でも上回っているのに対し、少年団団員では意識、行動の両面で競技志向がレクレ-ション志向を上回っていた。 日頃の活動量に関しては<準備運動、キャッチボ-ル、トスバッテイング、フリ-バッテイング、ベ-スランニング、整理運動等と言ったパタ-ン>の2.0時間の練習での消費エネルギ-は151kcal,歩数は6545歩、3.0時間の練習では220kcal,歩数9617歩といった具合いであった。 尚、全国交流大会の試合においては14チ-ムの全選手の平均で、消費カロリ-は105kcal、全歩数は3581歩で、ポジション別では捕手、二塁手、遊撃手の運動量が大きかった。しかし、日頃の練習に比較するとその活動量は必ずしも大きいものではなかった。投手の1試合当りの投球数は106(S.D.=28)球で、球速は全ての投手で終盤には2〜10km/hの低下で、握力、背筋力でも9.0%、18.0%の低下が見られた。投球フォ-ムも試合の後半にはステップ幅の狭い、明らかに疲労を感じさせるフォ-ムが確認された。 発育、発達途上にある小学生という状況を考えた時,日頃の練習時間の軽減あるいは試合における選手交代等の措置等(とりわけ、投手)は少年スポ-ツ活動の適正化という点からきわめて大切なことで、この種の実験・測定の重要性が大いに指摘されるところである。
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