研究課題/領域番号 |
02680140
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
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研究分担者 |
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
大山 雄二 帝京大学, 薬学部, 助手 (90129982)
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キーワード | 動物レクチン / ガラクトシド結合レクチン / ヒトレクチン / ニワトリレクチン / cDNAクロ-ニング / 組換たんぱく質 / 部位特異的突然変異 |
研究概要 |
脊椎動物のβーガラクトシド結合レクチンのうち、ヒト14K型、およびニワトリ16K型について、遺伝子工学的手法により、組替たんぱく質を大量に集めた。X線解析により立体構造を解明するために、結晶化を試みているところである。また部位特異的突然変異の手法で、機能発現に関わると目されるアミノ酸残基の置換体を種々調製した。この結果、従来からの予想とはかなり異なる知見が得られた。たとえば、システインが糖結合活性に対して本質的重要性を持っていないこと、またきわめて保存性の高いトリプトファン残基も、活性のために必須ではないことなどである。これらは本レクチンファミリ-の構造・機能を理解するうえできわめて重要な新知見である。ニワトリには14K型および16K型の2つのよく似たイソレクチンが存在するが、それらがいかに使い分けられているのか解明されていない。それを探る一環として、特異的抗体およびクロ-ン化DNAプロ-ブを使って、ニワトリ胚発生にともなう両レクチンの転写および翻訳レベルでの発現を、臓器ごとに詳細に調べた。まだすべてを網羅したわけではなく、結果を首尾一環して解釈できるには至っていないが、発生分化のより早い段階では16Kが働き、遅い時期に14Kが働くような傾向があるようである。本年度の実施計画には入っていなかったが、ヒトの高分子型βーガラクトシド結合レクチン(H29)のcDNAクロ-ニング、組み替えたんぱく質発現プラスミドの構築が、緊急に解明すべき課題となったため、それについて集中的研究も行なった。その結果全一次構造を解明でき、また組替えたんぱく質を得ることができ、これまで不明であったたんぱく質化学的性質のいくつかが解明できた。
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