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1991 年度 実績報告書

脊椎動物のβーグラクトシド結合性レクチンの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 02680140
研究機関帝京大学

研究代表者

笠井 献一  帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)

研究分担者 平林 淳  帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
大山 雄二  帝京大学, 薬学部, 助手 (90129982)
キーワード動物レクチン / ガラクトシド総合レクチン / ヒトレクチン / ニワトリレクチン / cDNAリロ-ニング / 組換えたんぱく質 / 部位特異的突然変異
研究概要

脊椎動物の金属非依存性βーガラクトシド結合性レクチンの糖結合活性に対して、どのようなアミノ酸残基が寄与しているかについて、組変えDNA技術を用いて部位指向性突念変異によるヒト14K型レクチンのアミノ酸置換を行った。一次構造上の保存性から従来は必須と示唆されていた69位のトリプトファンは、フェニルアラニンと置換しても糖結合活性は半分ほど残ったので必須ではないと確認された。また酸化による失活しやすいことから、いくつかのシステインも必須とされていたが、セリンと置換しても活性が残存したので、やはり必須ではなかった。ただしレクチンの安定性は改善されたので、このような組変えレクチンは、今後研究材料、あるいは他の用途には有用であろう。一方、46位のアスパラキン、71位のグルタミン酸、73位のアルギニンは重要であった。動物レクチンの比較生化学的研究も、存在意義解明の一助になるので、これまで存在が確認されていなかった爬虫類に、類似レクチンがあるかどうかに検討した。従来より虻毒中にレクチンが含まれることが知られていたので、ガラガラヘビの蛇毒よりレクチンを精製し、全アミノ酸配列を決定した。その結果、これはもうひとつの動物レクチンファミリ-である、カルシウム依存性レクチンと相同性があることが確認された。この型のレクチンとしても爬虫類では初めての知見である。一方、金属非依存性レクチンは脊椎動物でしか見つからっていないが、無脊椎動物で存在が確認できればレクチンの役割を探るうえでの意義は非常に大きいと考え、もっとも単純な多細胞動物であり、研究材料としても注目されている線虫を選んだ。これより糖結合性を示す蛋白質を分離し、一部のアミノ酸配列を決定したところ、脊椎動物レクチンと相同性を示した。これより、本タイプのレクチンは動物界にあまねく存在する重要な蛋白質であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kakita,H.: "Highーperformance affinity chromatogrphy of a chick lectin on an adsorbent based on hydrophilic polymer gel." J.Chromatogr.,. 543. 315-326 (1991)

  • [文献書誌] Oda,Y.: "Human breast carcinoma cDNA encoding a galactosideーbinding lectin homologous to mouse Macー2 antigen." Gene. 99. 279-283 (1991)

  • [文献書誌] Hirabayashi,J.: "Complete primary structure of a galactoseーspecific lectin from the venom of the rattlesnake Crotalus atrox." J.Biol.Chem.266. 2320-2326 (1991)

  • [文献書誌] Hirabayashi,J.: "Effect of amino acid substitution by siteーtirected mutagensis on the carbohydrate recognition and stability of human14ーkDa βーgalactosideーbinding lectin." J.Biol.Chem.266. 23648-23653 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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