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1991 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナ-ゼの構造と機能の関連、及びミクロソ-ム膜への定着機構

研究課題

研究課題/領域番号 02680150
研究機関山形大学

研究代表者

吉田 匡  山形大学, 医学部, 教授 (10004673)

研究分担者 石川 和信  山形大学, 医学部, 助手 (80222959)
佐藤 道比古  山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
キーワードヘムオキシゲナ-ゼ / 大腸菌での発現 / 部位指定変異 / 小胞体への定着機構 / ヘムポケット
研究概要

本年度は次の点が明確になった。
1.昨年度はへムオキシゲナ-ゼのN末端側の可溶性ドメインはヘム分解の触媒活性を保持していることを精製標品を用いた実験で明らかにし、更に本酵素の大腸菌での発現系を確立した。一般に、膜蛋白質に較べ可溶性蛋白質の精製及び結晶化は容易と考えられるので、今年度はまず本酵素のC末端の膜結合部を欠いた可溶性酵素の大腸菌での発現系の確立を試みた。遺伝子工学的手法によりC末端部を欠くcDNAを作成し、ベクタ-に組込み大腸菌にトランスフェクトしたところ、分子量三万の酵素を大量に発現した。精製した可溶性酵素はNADPHーシトクロムPー450還元酵素との反応性も、またヘム分解能も保持していた。この成功は可溶性酵素の結結晶化とそれに続くX線回折法への道を拓くものと期待される。
2.基質であるヘムが結合する部位が本酵素の活性中心を構成していると思われる。ヘムを結合した本酵素のスペクトルはヘモグロビンのそれと酷似しているので、本酵素での活性発現にはヒスチジン残基が重要な役割を担っていることが予想される。そこでPCR法で部位指定特異変異を行い、変異酵素を上記の大腸菌発現系で発現させた。その結果、His25が本酵素活性発現に重要であることを明らかにした。現在His25の詳細な役割を検討中である。
3.本酵素の膜定着機構についてはコス細胞での発現系を確立し、この系を用いて研究を行っている。その結果、発現された本酵素はミクロソ-ムに、また、上記の可溶性酵素は細胞質に局在することが知られた。現在、C末端の膜結合部のアミノ酸配列を種々変異させ、その変異が膜定着にどのような影響を及ぼすかを検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tadashi Yoshida: "Degradation of heme by a soluble peptide of heme oxygenase obtained from rat liver microsomes by mild trypsinization" European Journal of Biochemistry. 199. 729-733 (1991)

  • [文献書誌] Kazunobu Ishikawa: "Expression of rat heme oxygenase in Escherichia coli as a catalytically active,fullーlength form hat binds to bacterial membranes" European Journal of Biochemistry. 202. 161-165 (1991)

  • [文献書誌] Kazunobu Ishikawa: "Importance of histidine residue 25 of rat heme oxygenase for its catalytic activity" Biochemical and Biophysical Research Communications.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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