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1991 年度 研究成果報告書概要

神経細胞分化シグナル伝達に関与する遺伝子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 02680151
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 代謝生物化学
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

服部 成介  国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (50143508)

研究分担者 星野 真人  東京大学, 教養学部, 助手 (40212196)
研究期間 (年度) 1990 – 1991
キーワードPC12 / ras / NF1 / GAP / p21
研究概要

PC12細胞が神経成長因子(NGF)に応答して神経細胞に分化する際にras遺伝子産物p21が必須な役割を果たすことが示されている。したがってPC12細胞のNGF非応答性変異株の中にはrasシグナル伝達に関与する遺伝子の異常が含まれているはずである。そこで、その産物が恒常的に活性化されているras遺伝子を保持しその発現を誘導し得る系を利用してras遺伝子発現に応答しない変異株を単離した。単離した株の多くはNGFに対する応答性も顕著に低下していることが示された。そこでこの形質を復帰させる遺伝子の単離を試みている。
神経分化の際にras遺伝子産物が必須な役割を果たすことからNGF刺激に際してras遺伝子産物p21の活性化が起こることが期待される。p21はGTP結合時に活性化されGTPの加水分解にともない不活化される。そこで、PC12細胞にNGFを添加しp21に結合しているヌクレオチドを分析した。その結果NGF添加後急激にGTP結合量が増大する結果を得た。したがって、ras遺伝子産物p21はNGFレセプタ-からのシグナルにより活性化され、下流の因子にシグナルを中継するものと考えられる。PC12細胞の神経細胞分化を引き起こす因子として知られる、IL6およびcAMPはp21の活性化をもたらないことから、別個のシグナル伝達系が存在することが示された。
p21のGTP加水分解活性はその活性調節に重要な役割を果たす。そこでp21のGTPア-ゼ活性促進因子であるNF1遺伝子産物を分子量235kDaの不溶性タンパク質として同定した。NF1活性の組織特異性を調べたところ、脳においてその発現が高いことが示された。またすでに知られているGAPおよびNF1とは分子量、抗原性が全く異なる新たなGTPア-ゼ活性促進因子を同定しその精製を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Hattori,N.Ohmi,M.Maekawa,M.Hoshino,M.Kawakita,S.Nakamura: "Antibody against neurofibromatosis type I gene product react with a triton-insoluble GTPase activating protein toward ras p21" Biophys.Biochem.Res.Commun.177. 83-89 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.Hattori,M.Maekawa,S.Nakamura: "Identification of neurofibromatosis type I gene product as an insoluble GTPase activating protein toward ras p21." Oncogene. 7. (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.Muroya,S.Hattori,S.Nakamura: "Nerve growth factor induces rapid accumulation of the GTP-bound form of ras p21 in PC12 cells" Oncogene. 7. 1001-1005 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.Hattori,T.Yamashita,M.Fukuda,S.Nakamura,Y.Gotoh,S.Nakamura: "Activation of MAP kinase and its activator by ras." J.Biol.Chem.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 服部 成介: "ras,GAPの新しい展開" 実験医学. 9. 931-936 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中村 俊,服部 成介: "GAP活性を有するNFー1遺伝子産物" メビオ. 8. 89-95 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1993-03-16  

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