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1991 年度 実績報告書

リン酸化によるカルシウム依存性蛋白質の機能修飾

研究課題

研究課題/領域番号 02680156
研究機関名古屋大学

研究代表者

小林 良二  名古屋大学, 医学部, 助教授 (00020917)

研究分担者 萩原 正敏  名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
キーワード新しいカルシウム情報伝達系 / アネキシン / カルシウム受容蛋白質 / EFーハンド蛋白質
研究概要

細胞同士の情報のやりとりは、細胞内の信号伝達・増幅システムによって成り立ち、最終的には固有の細胞機能が発揮される。細胞内カルシウム信号系はこのような細胞応答を決定づける普遍的な生体反応系であると考えられている。本研究の目的は、カルシウム信号系の中軸をなしているカルシウム受容蛋白質に焦点をあて、その機能調節の仕組みを明らかにすることにある。このような目的のため本年度は第1に、昨年度に明かとなった新しいカルシウム情報系を形成している可能性のある、新しいEFーハンド型カルシウム結合蛋白質の精製を行った。兎肺からカルサイクリン、鶏砂嚢からカルギザリン、牛大動脈からカルヴァスクリンと人胎盤からS100ーPの4つのカルシウム受容蛋白質が新しく発見された。これらの蛋白質はいずれも2つのEFーハンド構造を有し、S100ファミリ-に属する蛋白質であった。またそれぞれが限局した組織分布を示すことは、その組織特有のカルシウム情報伝達系の存在を示唆した。次にこのカルシウム受容蛋白質の細胞内標的蛋白質の検索を行った。カルサイクリンの標的蛋白質は分子量は約5万の新しいアネキシンであることが明かとなった。従来から報告されているアネキシンファミリ-の特性である、カルシウム依存性リン脂質結合能、抗凝固作用、細胞骨格調節機能を有していた。刺激によって喚起された細胞内カルシウム情報がカルシウム受容蛋白質、カルシウム依存的リン脂質結合蛋白質の二つに分岐し、さらにそのカルシウム情報がカスケ-ドの下流で互いに影響しあっていることが直接的に証明されたことは、カルシウム情報系が単純な単線の経路ではなく、多数の機能蛋白質が互いに調節しあう複雑なネットワ-クを形成していることを強く示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Tokumitsu et al.: "A calciumーbinding protein from rabbit lung cytosol identified as the product of growthーregulated gene(2A9)and its binding proteins." Arch.Biochem.Biophys.288. 202-207 (1991)

  • [文献書誌] H.Todoroki et al.: "Purification,characterization and partial sequence analysis of a newly identified EFーhand type 13 kDa Caーbinding protein from smooth muscle and nonーmuscletissues." J.Biol.Chem.266. 18668-18673 (1991)

  • [文献書誌] Y.Watanabe et al.: "Isolation and characterization of a calciumーbinding protein derived from mRNA termed p9Ka,pELー98,18A2,or 42A by the newly synthesized vasoーrelaxant,Wー66,affinity chromatography." Arch.Biochem.Biophys.292. 563-569 (1991)

  • [文献書誌] Y.Emoto et al.: "Purification and characterization of a new member of Sー100 protein family from human placenta." Biochem.Biophys.Res.Commun.

  • [文献書誌] H.Tokumitsu et al.: "A calcyclinーassociated protein is a newly identified member of the Ca^<2+>/phospholipidーbinding proteins,annexin family." J.Biol.Chem.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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