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1991 年度 実績報告書

哺乳動物腎尿細管細胞表面の複合糖脂質

研究課題

研究課題/領域番号 02680161
研究機関帝京大学

研究代表者

石塚 稲夫  帝京大学, 医学部, 教授 (10012725)

研究分担者 友利 道子  帝京大学, 医学部, 助手 (70211406)
田中 直子  帝京大学, 医学部, 助手 (40184353)
永井 謙一  帝京大学, 医学部, 講師 (70155901)
有冨 桂子  帝京大学, 医学部, 助手 (50142451)
キーワード腎 / 尿細管由来培養細胞 / 硫酸化糖脂質 / 浸透圧適応 / ^<35>Sー標識 / 機器分析 / ^1HーNMR / ^<13>CーNMR
研究概要

1.イヌ腎尿細管由来培養細胞(MDCK)を高浸透圧培地ですることにより,それぞれ700mosmol/および800mosmol/1の浸透圧環境に適応した2種類のクロ-ン,osmRーAおよびosmRーBを得た。これらのクロ-ンを等張培地(300 mosmol/1)で培養して親細胞と比較すると、そのスルファチド(SM4s)およびラクトシルスルファチド(SM3)濃度が3.4〜5.9倍に増加していた.また,これらの細胞への〔^<35>S〕ー硫酸の取込みも親細胞に比べ1.9〜6.7倍に増加していることが明らかとなった.一方,親細胞を高浸透圧培地で培養した際に見られる硫酸化糖脂質への〔^<35>S〕ーラベルの取込みの亢進は,サイクロヘキシミド添加により完全に阻害された.このことは高浸透圧環境への適応の際には,硫酸化糖脂質への〔^<35>S〕ーラベルの取込みに関与する何等かのタンパク質の合成が活性化していることを示唆するものと考えられた。
2.ラット腎の微量硫酸化糖脂質として,あらたにGg_3Cer III^3ーsulfate(SM2b)を単離し,組成分析,ソルボリシス,メチル化,^1HーNMR,Iすおよび質量分析等によりその構造を決定した.ラット腎には以前からガングリオ系に属するGg_3Cer II^3ーsulfate(SM2a)の存在が知られているが,SM2bはこれとは硫酸化糖の種類のみ異なるアイソマ-と考えられた.
3.SM4sおよびセミノリピド(SM4g)の^1Hおよび^<13>CーNMRを分析った.2Dーphase sensitive DQFーCOSYスペクトルより,両者のリングプロトンの化学シフトおよび結合定数はほぼ同一の値が得られ,またSM4gに関する以前の報告ともよく一致した.また脱硫酸化物と比較の結果,硫酸基の結合部位の3位のプロトンに,硫酸基の脱遮蔽効果に基づく低磁場シフト(△0.7ppm)が観察された.DEPTおよびCーHーCOSYスペクトルより得られた両者のリングカ-ボンの化学シフト値はよく似ており,lysoーSM4sにおいて報告されている値とよく一致した.
また脱硫酸化物と比較した結果,プロトンの場合と同様に,電気陰性度の高い硫酸基が結合した3位のカ-ボンに約6ppmの低磁場シフトが見られた.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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