研究課題/領域番号 |
02680163
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
原田 信広 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00189705)
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研究分担者 |
山田 和代 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (90080217)
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キーワード | アロマタ-ゼ / エストロゲン合成酵素 / チトクロ-ムPー450_<AROM> / BeWo細胞 / CATアッセイ |
研究概要 |
我々はアロマタ-ゼの複雑な発現制御機構及びその組織依存的発現制御機構を明らかにするための第一歩として、アロマタ-ゼ遺伝子の特定部位上のDNA配列と特異的DNA結合蛋白との相互作用を通した転写調節について分子レベルでの解析を進めた。先ず既に単離し、そのDNA塩基配列も決定しているアロマタ-ゼ遺伝子の転写調節領域について、その転写活性を調べるためDNA断片の導入が容易な継代培養細胞で、かつアロマタ-ゼ遺伝子が発現していると思われる絨毛膜癌細胞由来BeWo細胞についてアロマスタ-ゼ活性・蛋白・mーRNA量を幾つかのアロマタ-ゼ誘導剤の効果と共に調べてみた。その結果、この細胞ではフォルボ-ルエステル(TPA)およびフォルスコリンで3〜7倍の誘導、TPAとフォルスコリンの同時投与では相乗的に約16倍の誘導が活性・蛋白・mーRNAの全てのレベルで観察された。この事よりアロマタ-ゼ遺伝子はこの細胞で転写されており、またその転写レベルはTPA及びフォルスコリンで制御されていることが明らかになった。そこでアコマタ-ゼ遺伝子の転写調節領域をCAT遺伝子の上流に接続し、電気穿孔法によりこれを細胞内へ導入してそのCAT活性でアロマタ-ゼ遺伝子の転写活性を推測した。その結果5'ー上流2.8kbまでには明らかな転写活性を持つ部位が存在していた。欠損を導入することにより、この部位は5'ー上流500bp付近と同定されたが、その転写活性はTPA及びフォルスコリンによって変化しないことより、かなり基本的な転写活性部位であると推測される。現在、実際のアロマタ-ゼの発現調節を説明し得るようなプロモ-タ-及びエンハンサ-部位を同定するため、さらに上流域に対しても解析を進めると共に、複数個のプロモ-タ-領域の存在の可能性についても検証を進めている。
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