研究概要 |
1.蛍光量計を用いた散乱X線含有率の測定 蛍光量計を用いてアクリルを被写体としたときの散乱線含有率を測定した。パラメ-タとして、管電圧80kVp、アクリルの厚さ5ー20cm、被写体・検出器間距離0ー100cmと変化させた。蛍光量計の窓の直径が1cmであるから、ビ-ムストッパの直径を5,4,3,2,1cmと変化させて、外挿法で直径0cmの点での散乱線含有率を求めた。その結果、従来からの常識と違って、被写体・検出器間距離を数10cmにしても、例えば被写体の厚さが20cmのときには散乱線含有率が50%もあることがわかった。 2.散乱X線スペクトルと直接線スペクトルの分離 純ゲルマニウム検出器の直前に置く円錐形鉛コリメ-タの直径が2mm以下であるから、ビ-ムストッパの直径を30,20,15,10,5,3,2mmと小さくして散乱線スペクトルを測定せねばならない。そのときに、X線管焦点が、管球の窓の中心からずれていることがわかったので、焦点位置の正確な決定法を研究した。その結果、ピンホ-ルを使って、陽極の像を可視光で、焦点の像をX線で同じフィルムに撮影すれば、正確に焦点の位置を決定できることを見出したので、今までよりも正確に、レ-ザ光でビ-ム軸を設定して、スペクトルの分離測定ができるようにした。 3.散乱線の写真効果 散乱線含有率を変えて、バ-ガ-ファント-ムのX線写真を撮影し、検出限界が散乱線含有率の増加と共に低下する様子を研究した。
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