研究課題/領域番号 |
02680184
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
金森 仁志 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70027770)
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研究分担者 |
松本 政雄 大阪府立工業高等専門学校, 助教授 (50149944)
中森 伸行 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (20107353)
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キーワード | 医療用X線 / 被曝線量 / 散乱X線 / X線スペクトル / 鉛コリメータ |
研究概要 |
1.X線管から発生するX線スペクトル もっとも基礎的なデータであるX線管から発生するスペクトル分布について次の二つの結果を得た。 (1)従来のモデルでの制動放射スペクトルの理論計算では、X線管陽極内での電子のエネルギーのばらつきを考慮していなかった。今回は、モンテカルロ法でこのばらつきを計算して、さらに量子理論の式を用いてスペクトルを計算した。その結果、Birch-Marshallのモデルの結果と比較的よく一致した。 (2)自己整流型のX線発生装置で、X線スペクトルを測定するときに、管電流値を広範囲に変えても、測定スペクトルが変わらないことを確かめた。この結果、管電圧、被写体の厚さ、等の、多くのパラメータを変えても、スペクトルを能率よく測定できるようになった。 2.散乱X線スペクトルの測定 昨年度に、ビンホール写真法を使って、X線管焦点の位置を正確に測定する方法を見出した。そのために、より正確にビーム軸を合わせることができるようになったので、ビームストッパの直径を2mmまで小さくし、外挿法で、直径0mmの点での散乱X線スペクトルを、正確に求めることができるようになった。 3.Contrast-duse diagramの提案と臨床写真への応用 こうして求めた散乱線含有率を変化させて、アルミニウムの周期的方形波パターンの写真を撮影し、写真コントラストと被曝線量との関係を示すためのContrast-dose diagramを新しく提案した。 このグラフを、頭部のトルコ鞍の臨床写真に適用して有効であることを確かめた。
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