平成2年度における研究計画はγ線照射条件の確立と単一成分系におけるG値の測定であり、以下に述べる研究成果を得た。 1)γ線照射時における試料の吸収エネルギ-分布の測定と算出 γ線照射時に用いる試料容器の材質(ガラス、ポリスチレンおよびポリエチレン)と容量の違いと充填される照射試料の吸収エネルギ-量の補正値をフリッケ線量計を用いて測定算出し、その結果、20、10、5mlガラスバイアルを用いる場合、+6%、+9%および+10%、8mlポリスチレンバイアルでは+7%、ポリエチレン袋では+6%の補正率の値を得た。 2)アクリノ-ルおよび含糖ペプシンの分解G値 ^<60>Coγ線源を用いて、1.2〜70×10^2C/kg(0.5〜30MR)の照射線量範囲における粉末アクリノ-ルの分解率とペプシン原末(含水率5%)の活性率変化を実験的に求め、上項に述べた補正係数を使用して吸収線量との関係として算出し、回帰分析法により次式 残存比(N/No)=1ー1.04×10^<ー10>・M・G・D ………(1) ただし、M:分子量、D:吸収線量である。 に代入し、それぞれの分解および活性変化G値を算出し、次の結果を得た。アクリノ-ル G=1.25、ペプシン G=0.80 以上、上記の2項目について、関連学会において発表報告済であり、その結果をまとめて研究論文として投稿中である。
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