研究概要 |
平成3年度における研究計画は、前年度に得られた研究結果を基とし、複合成分系におけるG値の測定と活形変化の推算方法の確立であり、以下に述べる研究成果を得た。 1)水溶液製剤中のアクリノ-ルの分解率の測定 ^<60>Coγ線を用いて5〜300kGyの線量範囲における水溶液製剤中のアクリノ-ルの分解率を実験的に求めた。 2)含湿ペプシン製剤中の活性変化の測定 上記と同じ線量範囲における含湿分の異なる製剤中のペプシンの活性値を実験的に求め、現在、活性変化G値を算出中である。 3)γ線照射による水溶液製剤中の医薬品の分解または活性変化の推算法の確立 湿潤ならびに水溶液製剤に放射線滅菌法を適用する場合の含有成分の残存率Rの算出法として、湿潤ならび水溶液製剤に放射線滅菌法を適用する場合の含有成分の残存率Rの算出法として、 R=1ー(1.04×10^<-10>・[a・Gs+(1-a)Gw]・M・D)/a(Gy)……(1) および R(N/No)=e^<-kD>……(2) ここで、k≒1.04×10^<-10>・[A・Gs+(1-a)Gw]・M・D/a を誘導し,モデル医薬品としてアクリノ-ルを用いると、M=361であるので、 k≒3.75×10^<-8>・[a_0・Gs+(1ーa)Gw]・M・D/a_0……(3) 前1)において得られたデ-タを基にして(2)式から分解定数kを算出し、(3)式から直後および間接作用によるG値を別々に算出し、Gs=1.25およびGw=0.80を得、これらのG値(1)式に代入することによって、含水および湿潤状態の異なる製剤おける放射線分解率または照射後の残存率の推算方法が確立できた。 以上の成果については関連学会において発表し、Radioisotopes誌に投稿済である。
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