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1990 年度 実績報告書

マウス着床後期胚発生障害を指標としたトリチウムβ線RBE測定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02680189
研究機関放射線医学総合研究所

研究代表者

山田 武  放射線医学総合研究所, 生物研究部, 室長 (30166714)

研究分担者 大山 ハルミ  放射線医学総合研究所, 障害臨床研究部, 主任研究官 (70160645)
キーワードトリチウム / RBE / 発生障害
研究概要

トリチウムβ線のリスク評価に当り、哺乳類組織中最も放射線感受性が高い胚あるいは胎児へのトリチウムβ線の影響の研究が求められる。特にRBE算出をするため、線量効果関係を明らかにし、等しい線量率のX線あるいはγ線の連続照射の効果と比較できる定量的研究が必要である。私達はこれまでにマウス試験管内受精、培養系を用いて、着床前期胚発生障害、すなわち胚死(胚盤胞形成不能)および第一卵割期染色体異常を指標として、この線に沿った研究を行い、HTOーβ線のRBEが1から2の間であることを明らかにした。
しかし、一般公衆のトリチウムによるリスクを考える場合、着床後期胚の障害がより重要である。そこで、本研究においては上記の研究をさらに着床後期胚発生にまで拡大し、奇形形成、中枢神経系障害を指標としたRBE測定を開始した。まず本年度の研究として、妊娠マウスに種々の濃度のトリチウム水を飲ませ、胚内および胎児のトリチウム濃度変化の測定と吸収線量の推定をおこなった。
実験にはICR系雄とBC3F_1雌マウスを用い、妊娠初日より10μCi/ml濃度のトリチウム水を飲料水として与えた。その後、妊娠の全期間にわたり経時的に妊娠動物を殺し血液内および胎児内トリチウム濃度をsample exidizerにより測定した。胎児が得られない妊娠初期は妊娠母マウスの血液内濃度と胚内トリチウム濃度が同一と仮定して胚内濃度を推定した。胎児内トリチウム濃度は妊娠7ー10日でプラト-に達し、蓄積吸収線量は飲料水内濃度の約50%となることがわかった。これらの結果から胎児吸収線量を推定することができた。また、飲料水中トリチウム濃度と吸収線量との関係が求められたので、今後この関係より推定した線量を基礎にトリチウム水β線の線量ー効果関係を求めていく予定である。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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