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1992 年度 実績報告書

マウス着床後期発生障害を指標としたトリチウムβ線のRBE測定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02680189
研究機関東邦大学

研究代表者

山田 武  東邦大学, 医学部・生物学研究室, 教授 (30166714)

研究分担者 岡 和之  東邦大学, 医学部・生物学研究室, 講師 (10120247)
大山 ハルミ  放射線医学総合研究所, 障害臨床研究部, 主任研究官 (70160645)
キーワード原子力 / 核燃料再処理 / 核融合 / トリチウム / 生物影響 / 慢性被曝 / 胎児発達 / RBE
研究概要

本実験はトリチウム水が飲料水として母体に摂取され、胎児にトリチウムβ線の連続被曝が生じる際の発生後期の障害を指標としてトリチウム水β線のRBEを求めることを目的としている。平成2年度にトリチウムによる胎児組織吸収線量、3年度に基準放射線である^<137>Cs‐γ線連即照射による障害の定量的解析を行った。最終年度である今年度は、これらの結果を踏まえて妊娠初日より妊娠期間を通してトリチウム飲料水を投与したときの胎児への影響を体重、脳のサイズと重量、脳タンパク質量を指標に調べ、γ線緩照射の結果と比較しトリチウム水β線のRBEを算定した。
BC3F_1雌とICR雄を3時間自然交配し、交配が確認された雌に50‐500μCi/mlの濃度のトリチウム水を飲料水として投与し、妊娠18日目に帝王切開により胎児を取り出し吸収胚や死産の数を記録した。吸収胚や死産の数は線量が高くなるにつれて増加し、一腹仔数の減少がみられた。しかし、この一腹仔数の減少は吸収胚や死産などの着床後の死亡の増加よりも大きく、この減少は主に着床前の死亡に起因するものと考えられる。また、胎児の体重や、脳重量、脳タンパク質量は50μCi/ml投与群では対照群と差はなかったが、それ以上の濃度のトリチウムを与えた群では有意に減少した。さらに、胎児の脳のサイズを調べたところ、線量によるサイズ減少は他の指標に比べて緩やかだったが、200μCi/ml以上の濃度で有意な減少がみられた。これらの障害の線量‐効果関係を前年度本大会で発表したγ線の緩照射の結果と比較するとトリチウム水β線のRBEは1.7‐1.9であると算定された。
一方、これまで分化に対する放射線影響のin vitro定量的解析系として改良開発を続けてきたマウス肢芽細胞培養法もX線急照射実験によりその有用性を確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y. Fujii, H. Ohyama T. Yamada: "Mouse Limb bud cell culture: An in vitro assay system for radiation effects on cell differentiation." Radiation Res.

  • [文献書誌] Y. Kurihara, Y. Fujii T. Yamada: "Effects of chronic ingestion of tritiated water on fetal development of mouse." J. Radiat. Res.,.

  • [文献書誌] 山田 武: "OBTの生物効果. 科学研究費補助金(総合研究(A))「核融合特別研究成果とりまとめ」" 5 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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