研究概要 |
1.ロジット・モデルを適用した地理学の関連文献を収集し,地理学における研究動向を把握した。その結果,買物行動以外に,人口移動やリクレション行動等様々な分野でモデルの応用が試みられていることが明らかになった。ただし,購買地選択の段階的意志決定を扱った研究は海外にもなく,本研究の独創性が確認された。また,1990年7月に来日したアメリカ・オハイオ州立大学のL.A.Brown教授に,教授の南米での人口移動研究の経験に基づき,ロジット・モデルについての意見をいただいた。 2.ロジット・モデルのプログラム・パッケ-ジを購入し,仮想デ-タや以前に調査した買物行動のデ-タを分析し,結果の解釈を通してモデルの理解を深めた。また,人口移動デ-タの分析も試み,ロジット・モデルとポアソン回帰モデルとの類似性も検討した。 3.長崎と金沢にある大学の協力をえて,1990年12月ー1990年1月に,大学生・主婦を対象に買物行動調査を実施した。さらに,1991年3月には新潟での調査を予定している。 4.収集したデ-タは目下電算機に入力しつつあり,入力済みのデ-タから順に解析にとりかかる予定である。 5.1991年度はひき続きデ-タの分析を行ない,購買地選択行動にみられる段階的意志決定の存在を検証することにしている。また同時に,他の空間的行動デ-タを分析し,ロジット・モデルの広汎な応用性を確認したいと考えている。 6.研究結果は,1992年3月までに『理論地現学ノ-ト』に公表するつもりである。
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