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1990 年度 実績報告書

ヒトチミジル酸合成酵素遺伝子の発現調節機構について

研究課題

研究課題/領域番号 02680216
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

金田 澄子  国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (60152815)

キーワードチミジル酸合成酵素 / イントロン / 形質転換 / 細胞周期
研究概要

ヒトチミジル酸合成酵素(TS)の第1イントロンに存在する形質転換活性を上昇させる配列を、第1イントロンを部分的に欠失させたミニ遺伝子を作製し、その形質転換活性を測定することにより調べた。その結果、第1イントロン(1,7kb)の上流側600bを欠失させると形質転換活性は第1イントロンを持つミニ遺伝子の10%以下に減少した。この部分をイントロンを持たないミニ遺伝子や第2イントロンのみを持つミニ遺伝子に挿入すると、その形質転換活性を上昇させることが判明し、この部分にエンハンサ-様活性があることが明かになった。又、この部分と相互作用する因子の有無をゲルシフト法により調べたところ、3か所で因子の結合がみられた。しかしその結合の強さは弱く、フットプリントでの同定はできなかった。
一方、細胞周期に依存した発現の制御を解明する目的で種々のミニ遺伝子をラット3Y1TS欠損細胞に導入し、安定な形質転換株を得た。それらの株を血清制限法によって同調し、GO及びS期における発現をノザンハイブリダイゼ-ションによって解析したところ、第1イントロンを持つ株でのみ細胞周期依存性を示すことが明かになった。又、runーon法により転写活性を調べたところ、GO,S期で変化なく、細胞周期による発現の制御は転写後に行われていると考えられた。
上記に述べた、形質転換を上昇させる活性と、細胞周期に依存した発現の制御は、いずれも第1イントロンが関予していると考えられるが、それが互いに関連があるのかどうかはまだ明かではない。今後、一見異なる様にみえる2つの現象の関連を、それぞれのメカニズムを解明することを通して明らかにしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sumiko Kaneda: "Structural and Functional Analysis of the Human Thymidylate Synthase Gene" J.Biol.Chem.265. 20277-20284 (1990)

  • [文献書誌] Tadaーaki Hori: "Regional Assignment of the Human Tymidylate Synthase(TS) Gene to Chromosome Band 18p11.32 by Nonisotopic in site Hybridization" Hum.Genet.85. 576-580 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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