研究概要 |
本研究は,コンピュ-タが想像をはるかに超えて進化していることを考慮して,平成5年度から移行措置なしで実施される「情報基礎」のカリキュラムを,狭く「技術家庭」にのみ限定したり目先のコンピュ-タの仕組みや機能などの操作を知るのではなく,今後の高度情報化社会の中で「人間が生きる」上で基礎・基本となる「方法論」として,すなわち,人間のもつ「構造化した思考」を育成し促進するために,言い換えれば,「論理的に考え,想像し,構造的にしくみを捉え,そして,直感的・創造的に考えられる人間の育成」を図ることを最重要課題とする,情報教育と人間教育の統合体として,実施的に開発し評価することであった。 そのため,平成3年度は、(1)情報および情報技術の枠組みの改善(書籍とデ-タベ-スの検索・利用)として,平成2年度に開発した「枠組み」をメディアの統合という観点で実施し「基盤整備段階」をはじめとする5つの段階を仮説的に設定し,(2)教師及び生徒のための実態調査問題の改善と標準化(書籍や思考検査問題の活用とデ-タベ-スの作成)に基づいて開発した「情報および情報技術のための実態調査問題」を具体化する足がかりを得た。すなわち,平成2年度に開発した「2進法」の指導事例の再試行(生徒25名)と評価および改善と,新たに,「情報基礎」の大きな単元の一つである「プログラミング」のうち「思考とプログラム」に関する指導事例を開発し実践した結果,進展著しい視聴覚教育メディアの一つとしてコンピュ-タを扱うことにより,目的である感性豊かな人間の「成長」という観点からのカリキュラム開発がいっそう深められることが示唆された。
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