研究課題/領域番号 |
02680250
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
熊谷 高幸 福井大学, 教育学部, 助教授 (10115298)
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研究分担者 |
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
村野井 均 福井大学, 教育学部, 助教授 (10182130)
寺岡 英男 福井大学, 教育学部, 助教授 (90115303)
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キーワード | パソコン利用教材 / 数概念 / 10以内の数 / 数の合成・分解 / 加算と減算 / 知能障害児 / バ-コ-ド・リ-ダ- / MSXシリ-ズパソコン |
研究概要 |
本研究では、これまで3年間、一知能障害児(Y児・小頭症・10歳)に対して、パソコンを利用した初期数概念の指導を行なってきた。パソコンの機種は、将来、現場で、簡便に利用できることをねらい、MSXシリ-ズとした。また、入力装置として、瞬時読み取り式のバ-コ-ドリ-ダ-を用い、スキャナ-部の設置された窓に、裏面にバ-コ-ドの付けられた選択カ-ドを置くことにより、学習者の反応は入力され、記録された。 Y児は、これまでの指導により、モニタ-に一定の配列のもとで呈示された10以内の数の集合については、その数を認知することができるようになった。そこで、本年度は、10以内の数が、いくつといくつに分解されるか、また、いくつといくつの数の合成として成り立ているか、という、数の分解と合成の課題に進むことにした。また、この内容は、対象児がこれから学習しなければならない、加算と減算の学習の基礎ともなるものであると考えた。 数の分解については、「かくれんぼ」を題材としたプログラムにより、5以内の数の分解の学習を進めた。Y児は、この学習の中で、4の2と2への分解のような、同数2個への分解にのみ困難を示した。そこで、隠れている動物の個々の名前を思い出させるなどの方法により、この課題を習得させることができた。 数の合成については、昨年度、数のモデルとして用いた、1階と2階の各5人ずつの家族の集合を用い、上下各何人で計何人となるかについて学習を行なった。この学習で、当初、Y児は、大きな数になる1つずつ数えるという操作を繰り返したが、次第に、「3と5は8」というように、数えることなく、概念的に、数の合成を行うことができるようになってきた。
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