研究課題
本研究は、「数と計算」の指導過程において、電卓・コンピュ-タ-の導入に際して、教師が指導する仕方に依存して、生徒が使用する方略および彼らが経験する困難点を、教師が行う指導との関連で捉え、日本と米国という異なる文化環境のもとで捉え直す比較研究を行うことを目的として実施した。当研究では、主な研究領域を日米で特に重要視されている「見積り」と「数感覚」において行い、「数と計算」における教授と学習に関するカリキュラムと評価の観点から、調査した。まず、小・中学校の「数と計算」に関するカリキュラムを「見積り」と「数感覚」におき、それらの観点から調べ、電卓・コンピュ-タ-の導入によって、一層指導効果が上がると思われる方法を明らかにした。また生徒が陥り易い誤った見方や考え方を同定し、その治療的指導を電卓・コンピュ-タ-で行うことを目的とした。本年度は、次のような計画にもとづいて研究を行った。(1)6月中旬に研究計画についての協議を持つ、そこでは、日本と米国の教育環境、殊に教室での数学の学習活動育の様相を分析し、教育方法や科学技術教育等の立場から高度技術社会の実態を検討した。(2)8月中旬に日本と米国の算数・数学のカリキュラム・教科書などに見られる「数と計算」の展開の仕方を分析した。この際、「見積もり」と「数感覚」の使用場面に留意して調査問題の試案を作成した。(3)これまでのIEAとNCTMの「数と計算」の調査問題を分析し、「見積もり」と「数感覚」に関するストラテジ-を同定し、小学校3年生と5年生、中学校の2年に対して、調査を実施した。その結果を(1)で述べた観点から分析した。なお、今年度の研究成果を国際会議や国内の学会等で研究発表した。
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