方言を使って生活することが日常である社会(方言主流社会)に住む人々の、ことばや地域に対する感じ方、考え方、希望、そして実際にとっている言語行動などを調査することで、方言主流社会における標準語と方言の関係や使い分け意識、そしてその行動を捉えようとして調査を行った。平成2年度は属性の違いよって、以下の母集団を調査した。 【津軽域調査】 (1)世代差:中年層(50歳台)・若年層(20歳台)・高校生(高校3年生)の3世代を調査した。 (2)地域差:津軽地方における都市化の度合いに注目して、次の8地点で調査を行った。 青森・弘前・五所川原・黒石・浪岡・平内・中里・碇ヶ関 【県人会調査】 津軽から首都圏に出て行った人々の意識や行動はどうなのかについても捉えるべく、「東京青森県人会」に協力を依頼しての調査を行った。 【東京ネ-ティブ調査】 都内で生まれ育ち、その後も都内で生活している人々を調査した。東北方言に対する首都圏の人々の意識を知るための母集団である。 【インフォ-マント数】 津軽域調査では、それぞれの属性について10名ずつ、計240名(有効回答:10名×3世代×8地点)を調査した。 県人会調査・東京ネ-ティブ調査では、それぞれ、107名、103名(有効回答)の調査結果が得られた。 【集計・分析】 得られた結果は、電算処理をし易いよう、コ-ディング・シ-トへ記入し、入力作業を行った。現在、集計結果の分析と解釈を行っている。
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