研究概要 |
19世紀末から1930年代にかけて、北京大学を頂点とする中国の大学・専門学校における卒業生・在学生を主とする読者層の形成過程,商務印書館を中心とする大槻模出版社の文学書刊行事業への進出過程,及び文化生活出版社など後発の中小出版社の派により出版機構が多様化していく過程,そして大学教師を中心とする作家・批評家・翻訳家が20年代末以後職業的文学者へと転進していく過程を,部分的に明らかにすることができた。具体的には以下の5点を挙げられよう。 1.魯迅・巴金などの大文学者の軌跡 2.沈従文・呉朗西などややマイナ-な作家,文化人の軌跡. 3.文化生活出版社等の出版事業に携った人とへの書筒による質問調査。 4.日中両国文化人の交流 5.文学制度の確立にともなう表現方法,作家意識・読者意議の変質・変狼のプロセス。 以上の5点について,資料の収集及びその整理を行ったが,その過程ではパソコンによる各研究機関へのアクセス及び資料整理が大いに威力を発揮し、本研究の総仕上げを目指す今後の作業により明るい展望をもたらしてくれた。またアルバイタ-によるパソコン操作等の補助活動も大いに本研究の基礎的作業の進展を援助してくれた。
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