• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

医学・医療現場から見た医療過誤裁判例の再検討ー賠償医学と法律学の交錯ー

研究課題

研究課題/領域番号 02802004
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

古村 節男  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30025598)

研究分担者 藤宮 龍也  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50219044)
山岸 久一  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40128723)
入澤 淑人  京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90112226)
植木 哲  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40024939)
キーワード医療過誤 / 法医学 / 賠償医学 / 民法 / 医事粉争
研究概要

医療過誤判例は公刊された裁判例でも年間50ないし60件の多くを数え、われわれ医療関係者においても、判例の理解・検討・批評は重大関心事となってきている。これまでは、判例の評釈はもっぱら法律家が行うものとされてきたが、医学界においても法律学、なかんずく損害賠論に重大な関心を持たざるを得ない。法医学は刑法的側面から法律を眺めることが多かったが、民法学的見地への応用医学としての展開が試みられ、賠償医学として結実しつつある。本研究は、この民法領域への医学的方法の導入といった賠償医学的手法を使い、医療過誤判例の再検討を試みるものである。
具体的な医療過誤裁判判例の分析には多大の時間と労力がかかった。判例は医学的専門家ではない裁判官により書かれている。このため、医学・医療からみると事例分析において重要な点が抜け落ち、結論的記載となってしまう傾向がみられる。医療水準の検討においてさえ不明瞭な点が多く、困難が多かった。また、判例の論理構成において重要でない点で、よく医学的にみて不適切な記範が散見された。これは裁判において、医療測から中心的問題として議論されなかったため、医学の専門外の見解がそのまま引用されたものと推定され、裁判における当事者主義の幣害と考えられる。職権探知主義的な機構を取り入れ、医学の専門家から判決文のチェックのようなものが必要と考えられる。なぜなら、たとえ判決の中心的論点でないとしても、医学的に不適切な記載を見た場合、その判例自体の自憑性を疑わざるを得ないからである。以上のごとく、いくつかの成果は挙がった。しかし、当初、3年計画とされた本研究は、現時点ではそれ以上の時間が必要と考えられる。今後も、医学・法学の各々の発展に寄与する学際的研究となるよう研究を継続したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 植木 哲: "医事法" 法律時報. 62(13). 73-77 (1990)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi