研究課題/領域番号 |
02804011
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 佳孝 大阪大学, 教養部・物理教室, 助手 (60093457)
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研究分担者 |
高橋 憲明 大阪大学, 教養部・物理教室, 教授 (10028152)
下田 正 大阪大学, 教養部・物理教室, 助教授 (70135656)
宮武 宇也 大阪大学, 教養部・物理教室, 助手 (50190799)
西嶋 茂宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00156069)
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キーワード | クライオスタット / 超伝導量子干渉素子(SQUID) / 荷電粒子非接触検出 |
研究概要 |
光速に近い速度が通加する荷電粒子を一個一個非接触で検出する方法の開発は、原子、原子核、素粒子実験など広い範囲で要求がある。荷電粒子が高速で飛行すると、相対論的効果により、粒子のまわりに誘起される磁場は大きくなり、超伝導量子干渉素子(SQUID)による限界検出磁場程度の大きさになることがわかった。本研究は上記のことを実現するための第一段階として、液体ヘリウム温度(4.2K)で働くSQUIDを収納し、かつその内部を粒子が通過できる“開放型"のクライオスタットを開発することにある。 昨年より、将成り磁場特性にからむ問題点、また構造的な特性のことを考え、FRPを使ったクライオスタットを試作している。クライオスタット本体部分は、分解・組み立てを容易にするため、あえてインジウムシ-ルをやめ、昨年の予備テストで液体ヘリウムのシ-ルに成功したネジによるしめつけ構造を使う単純な構造とした。この構造は、将来の超高真空での応用には耐えないが、本研究のようなテスト段階では、実用性の高いものである。しかし最初の試作品ではネジ構造をあまりにも多用しすぎたため真空リ-クを起こした。改良後の面接合を併用したタイプにおいて現在の所液体窒素を数時間にわたり蓄えることに成功した。しかし最終目標である液体ヘリウムのシ-ル及び蓄蔵にまでは至っていない。現在はこれまでの実験結果を踏まえて、面接合を基本とし、長時間にわたる低温状態における熱収縮に対処すべく、テ-パ構造を新たに追加した構造に改良しつつある。液体窒素については改良が終了した時点で、また液体ヘリウムについても近い将来にテストできるものと期待している。クライオスタットの構造やSQUIDを設置する際問題となるであろう雑音や熱シ-ル等の項目については、つくばの電子技術総合研究所や理化学研究所の人達と議論を行い有益な助言を得た。
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