研究分担者 |
伊藤 領介 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (90193531)
尾崎 均 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (10177214)
宇野 彰二 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (70183019)
佐川 宏行 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (80178590)
山内 正則 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助教授 (20174584)
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研究概要 |
本年度の4月に開催されたBファクトリ-実験の物理と測定器の国際研究集会に於いて、それまでのシミュレ-ションの結果に基ずいて設計された高エネルギ-研Bファクトリ-用の測定器案が発表された。それに対する批判、提言及び他の研究所の計画案との比較等を考慮して、今年度においては、“いかにしてCP非保存の測定能力を高めるか"という主題で研究を行った。その為9月に〓科で4日間に亘り、シミュレ-ション研究を主題にした研究会を開いた。その結果CP非保存の測定に使える反応として、これまで考えていたB→ψKs(ψ→l^+l^-),ππ,kπの他に、多くの反応があることが示された。例えば、B→ψKL(ψ→c^+l^ー),ψKs(ψ→ハドロン),ψK^*,ψ'Ks,X(1+1)Ks,D^+D^-,D^<*+>D^<*->,ψP°,0^*0,K^*π,Pπ,aπ,DK等。ψKLモ-ドはψKsモ-ドの半分程度の数が期待され、有望である事が世界で初めて示された。K^*がARGUSデ-タの示す様に100%近く偏極していれば、同じく有望である。ψを同定するのにレプトン対崩壞の他にハドロン崩壞も使える事が明示された。これらの反応を加え合わせる事により、CP非保存測定に必要なルミノシティ-を半分以下に減らす事ができる。Bd→D°KsとB^±_<dl>→D°K^±を用いる事によりCP角度のφ_3をBsを用いずに測定できる事が世界で初めて示された。但しこれまでの研究に於にては、連続領域からのバックグランドの影響が考慮されていないので次年度にその検討を行う。B平間子と反B平間子を識別する方法として、低い運動量のレプトンを使う方法又はD又はD^*をexclusiveに捕獲する方法が検討されその可能性がある事が示された。粒子の識別能のCP非保存の測定に対する影響については現在検討中であり、次年度に継続研究される。
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