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1990 年度 実績報告書

絶対零度近傍におけるゆらぎと緩和

研究課題

研究課題/領域番号 02804018
研究機関京都大学

研究代表者

平井 章  京都大学, 理学部, 助教授 (70025287)

研究分担者 佐々木 豊  京都大学, 理学部, 教務技官 (60205870)
キーワード超低温 / ゆらぎ / 緩和現象 / 1 / f雑音 / GaAs半導体 / 高温超伝導薄膜 / u2d2相固体 ^3He
研究概要

本研究の目的は、絶対零度近傍に於ける「ゆらぎ」ーーー特に1/f雑音ーーーと「緩和現象」について実験的に研究しようとするものである。平衡状態での熱力学では、第3法則(Nernstの定理)に従い、絶対零度に近付くにつれて、系のエントロピ-は零になっていくと教えられる。所で、絶対零度に近付くときに、この平衡状態の近傍に於ける「ゆらぎ」や非平衡な状態から平衡状態へ漸近するときのいわゆる「緩和過程」については、何か一般的な法則なり定理なりが存在するであろうか?超低温度で系統的な実験を行い、これらの点についての手がかりを得るのが本研究の目的である。
本年度、「超低温度に於ける緩和過程」の研究に関しては、前年度より引き続いて、1mK以下の温度で固体3HeのU2D2相といわれる核スピン秩序相についてその反強磁性共鳴の緩和過程を調べた。その緩和過程は、励起された反強磁性共鳴のスピンの一様な才差運動がスピン波に崩壊する過程(3ーマグノン過程と4ーマグノン過程といわれるもの)として説明されることを理論的および実験的に示した。「雑音測定」に関しては、以前から行っていたGaAs半導体の極低温における雑音測定のほかに、新たに酸化物超伝導薄膜の雑音測定をも付け加えた。雑音の成因を完全に理解するには至っていないが、「1/f雑音」に関して組織的なデ-タがとれている。この実験のために補助金を使用した。
実験技術的には、非常に長くなっていく緩和時間を測定するために、一様性の極めてよい磁場が必要である。今年度もその準備と予備実験を行ってきたが、超低温度で超伝導で遮蔽された一様性のよい超伝導磁石を得るに至っていない。今後は一様性のよい磁場を得て、その中で超流動3Heの磁化の「ゆらぎ」と緩和過程の測定を行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Hirai: "Measurements of the Noise Power Spectwm from High Temperature Supercndncting Films" Cryogenies. 30. 910-914 (1990)

  • [文献書誌] Y.Sasaki: "Spin Reluxation of Nuclear Ordered bCC Solid ^3He in the Low Field Phase" Physica B. 165〜166. 801-802 (1990)

  • [文献書誌] 平井 章: "核スピン反強磁性共鳴と緩和" 数理科学. 321. 67-75 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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