• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 研究成果報告書概要

一般化された注入のある凝集系における定常的べき分布

研究課題

研究課題/領域番号 02804022
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関神戸大学

研究代表者

高安 秀樹  神戸大学, 理学部, 助教授 (00183062)

研究期間 (年度) 1990 – 1991
キーワード凝集現象 / べき分布 / フラクタル / 地形のモデル
研究概要

まず、注入のある凝集系の1次元、及び、平均場の場合において、定常解の安定性と緩和の様子を理論的に解析した。定常状態において実現するべき分布のべきの指数が注入の型に依存することは、すでに得られていたが、緩和の場合には、単にべきの指数に留まらず関数型までが注入の型に依存することがわかった。また、定常分布であるべき分布は大変安定であり、いかなる初期値から出発してもべき分布に収束することが証明できた。さらに、注入の大きさ分布である場合や、空間的にフラクタル的に注入する場合も考察し、べき分布の指数は連続的に変化しうることがわかった。
次に、2次元、3次元のシミュレ-ションを試みた。1次元系の場合と同じように、注入が絶えずある場合には、粒子の質量の分布はベキ分布に従うことが確かめられた。ベキの指数は平均場の値に近いが、それが平均場の値と一致するのかどうかについては、シミュレ-ションによって明確にすることはできなかった。指数の精度を上げるには、計算機の容量を現在の100倍程度上げる必要があることがわかった。
これまでに得られた注入のある凝集系の統計的な性質に関する知識を応用するため、ランダムな表面の問題への適用を考えた。例として、地形の雨の侵食による形成過程を考えた。その結果、降った雨が凝集し、川となって地形を侵食するプロセスが、凝集系と似た性質を持つことがわかった。例えば、川の流量の分布はべき分布に漸近することが確認された。どちらの系でも、合流、あるいは合体という非可逆なプロセスがフラクタル的な統計性を実現させるのに大きな役割をになっていることがわかった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] H.Takayasu,A.Provata and M.Takayasu: "Stability and relaxation of power-law distribution" Phys.Rev.A. 42. 7087-7090 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H.Takayasu,M.Takayasu A.Provata,and G.Huber: "Statistical Properties of Aggregation with Injection" J.Stat.Phys.65. 725-745 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H.Takayasu,and H.Inaoka: "New Type of Self-Organized Criticality in a Model of Erosion" Phys.Rev.Lett.68. 966-969 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] A.Provata,M.Takayasu,and H.Takayasu: "Aggregation with Power-Law and Fractal Input" Phys.Rev.A.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] H. Takayasu, A. Provata, and M. Takayasu: "Stability and relaxation of power-law distribution" Phys. Rev.A42. 7087-7090 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H. Takayasu, M. Takayasu, A. Provata, and G. Huber: "Statistical Properties of Aggregation with Injection" J. Stat. Phys.65. 725-745 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H. Takayasu, and H. Inaoka: "New Type of Self-Organized Criticality in a Model of Erosion" Phys. Rev. Lett.68. 966-969 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] A. Provata, M. Takayasu, and H. Takayasu: "Aggregation with Power-Law and Practal Input" Phys. Rev. A. (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1993-03-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi