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1991 年度 実績報告書

海洋大循環に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02804024
研究機関九州大学

研究代表者

竹松 正樹  九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50038535)

キーワード海洋熱塩循環 / 実験室モデル / 西側強化現象 / 対馬暖流の駆動 / 底面環界条件の影響
研究概要

前年度は、回転円形水盤中に局所冷却によって循環流を生成し、その基本的性質を明らかにした。本年度は、この純粋な熱駆動流に関する様々なヴァリエ-ション実験を試み、以下の様な新しい重要な知見を得た:
1.冷却部を「北」として、東西に開口を設けて“外海"に接続させたところ(日本海モデル)、西側の開口から強い流入が生ずることが見出された。水盤内には、前年の結果と同様、西側の壁に沿って北上する境界流(東鮮暖流に対応)、そして、冷却沈降が起っている北壁近傍には弱い西に向かう境界流(北鮮寒流)が生ずる。西側からの流入は開口部の北端(韓国側)に集中すること、西側境界流の底層には南に向う反流が生ずること等も注目に価する。この様に、f‐面上に熱だけで作られた循環流が日本海循環の主要な特徴を具備していることは驚くべきことだろう。今後、更に定量的対比を試みる予定である。
2.f‐面上の熱駆動循環流に固有の性質を明らかにしてきたが、それがβ‐効果によってどの様に影響されるかを調べるために傾斜底面を用いて実験した。成層流中では、β‐効果と底面傾斜の等価性に疑問があるが、f‐面でみられた主要な特徴は傾斜底面上でも見られた。
3.作業流体の下層に重いコ-ンスタ-チ溶液を置いて二層モデルの実験を試みた(現在進行中)。この場合、上層の作業流体中に作られる熱駆動循環流はすべて内部モ-ドとなり正味の水平流量(即ち順圧成分)がゼロとなることが分った。これは底面が固体壁である場合と著しく異なる(この場合は一般に正味の流量を持つ)。これは、底面がnon‐slipであるかfree‐slipであるかは熱駆動流の鉛直構造に決定的な影響を与えることを示すものである。数値モデル等では、単純に底面をfree‐slipとすることがあるが、要注意であろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 竹松 正樹: "Western intensification of buoyancy‐driven ocean currents" Rep.Res.Inst.Appl.Mech.,Kyushu Uuiv.38. 37-47 (1991)

  • [文献書誌] 竹松 正樹: "A driving mechanism of the Tsushima Current" Rep.Res.Inst.Appl.Mech.Kyushu Uuiv.38. 49-59 (1991)

  • [文献書誌] 竹松 正樹: "A laboratory model of thermally‐driven marginal seas" Proc.of the 6‐th Japan and East China Sea Study.1991. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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