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1992 年度 実績報告書

植物培養細胞による生化学的物質変換-不斉誘起反応の解明と開発

研究課題

研究課題/領域番号 02804042
研究機関広島大学

研究代表者

平田 敏文  広島大学, 理学部, 教授 (80033926)

研究分担者 泉 俊輔  広島大学, 理学部, 助手 (90203116)
キーワード固定化植物培養細胞 / タバコ培養細胞 / エポキシ化酵素 / 還元酵素 / 不斉誘起反応 / 立体特異性 / 酸素官能基導入 / 炭素-炭素二重結合
研究概要

培養細胞にその細胞が本来生産しない物質を投与するとその細胞は物質の構造を認識し,潜在する物質変換機能を誘発して,立体特異性および鏡像体選択性に優れた分子変換を行なう。そのような機能を物質合成に活用するための基礎研究として、そのような反応に関与する酸素系を分画・精製して反応の立体化学を解明した。
1.エノン系化合物の生物変換における培養細胞の還元機能を明確にするために,ベルベノンの炭素-炭素二重結合の還元に関与する酸素系を分画・精製し,その酸素の特性を調べた。この酸素はカルボン還元酸素の場合とは異なって,カルボニルのβ位に水素原子を持たないエノン類の炭素-炭素二重結合も還元することがわかった。さらに,この酸素による反応の立体化学を^2Hで標識した補酸素を用いて調べ,カルボニル基のα位についてはre面から媒質の水の水素が,β位についてはre面からNADPHのpro‐4s水素がsyn付加の様式で立体特異的に付加されることがわかった。
2.タバコ培養細胞はモノテルペン炭化水素類の炭素-炭素二重結合およびそのアリル位をエポキシ化および水酸化する機能を持つことがわかった。そこで,エポキシン化に関与する酸素系のタバコ培養細胞から分画・生成した。この酸素は,ピネンなどの炭素-炭素二重結合のエナンチオ面を認識してそのre‐reから酸素原子を付加する反応を触媒することがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] D. I. Ito: "Facilitation of Diphosphate Group Elimination from Geranyl Diphosphate by Magnesium Ion Chelation in Cyclic Monoterpenoid Biosynthesis" J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 1992. 37-39 (1992)

  • [文献書誌] T. Hirata: "Enantioselective Introduction of Oxygen Functions into Alkenes. Oxydation of Limonene by the Cultured Suspension Cells of Nicotiana tabacum" Plant Tissue Culture Lett.10. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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