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1991 年度 実績報告書

テフロン製フィルム表面での疎水性溶質の濃縮

研究課題

研究課題/領域番号 02804046
研究機関熊本大学

研究代表者

実政 勲  熊本大学, 理学部, 教授 (60040119)

キーワードテフロン / ポリエトラフルオロエチレン / 疎水性溶質 / 濃縮 / 溶媒抽出 / 無電荷金属錯体 / クロロホルム / 分配係数
研究概要

テフロン(ポレテトラフルオロエチレン)は、耐熱、耐薬品性に優れ、種々の分野で使用されている.申請者は、テフロンテ-プを浮かべた水溶液中のクロロホルム蒸気を通気すると、水溶液中の疎水性溶質がテ-プの表面に捕捉される現象を見いだし、その分析化学への応用について研究してきた.本研究は、疎水性溶質の濃縮媒体としてのテフロンの可能性を調べ、濃縮機構を明らかにすることを目的としている.
疎水性溶質として、無電荷金属錯体を用いた.即ち、鉄、アルミニウム、バナジウム、チタン、銅及びコバルトの6種類の金属イオンのオキシン(8ーhydroxyquinoline)錯体を試料とし、テフロンからの回収率を求めた.さらに、これらの金属オキシン錯体の水/クロロホルム間の分配係数を測定し、回収率と分配係数との相関性を調べた。その結果、縦軸に回収率、横軸に分配係数の対数値をとってプロットすると、良好な直線関係があることが判明した.この実験結果から以下の推論を行なった.水溶液中の飽和状態で溶けているクロロホルム分子がテフロンテ-プの表面を覆い、クロロホルムの薄い層を形成する.水溶液中の疎水性溶質はこの皮膜層に抽出される.即ち、本濃縮機構は、通常の溶媒抽出と同じものである。ただし、クロロホルム皮膜層の厚みが極めて薄いため、溶質の水/クロロホルム間の分配係数の大きさを敏感に反映するものと考えられる.
濃縮媒体として、テフロン以外にも、パ-フルオロアイコサンのような含フッ素高分子量の物質を試した.濃縮はうまく行ったが、濃縮媒体が粉末であるため、試料水溶液から媒体を回収するのが困難であった.テフロンテ-プへの疎水性溶質の濃縮機構が明らかになったので、次に、配位子の種類を変えて、金属イオンを効率よく水溶液中かのテ-プの表面に捕捉すべく計画中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 実政 勲,栃原 拓夫,出口 俊雄: "クロロホルム蒸気通気による水溶液中の疎水性溶質のポリテトラフルオロエチレンフィルム表面への濃縮" 分析化学. 39. 239-244 (1990)

  • [文献書誌] I.SANEMASA,I.KOGA,T.DEGUCHI: "Coprecipitation of Some Aromatic Hydrocarbons from Water with β‐Cyclodextrin" Anal.Sci.7. 641-643 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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