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1991 年度 実績報告書

哺乳類子宮の成長・機能発現を制御する生理活性物質の検索

研究課題

研究課題/領域番号 02804067
研究機関東京大学

研究代表者

守 隆夫  東京大学, 理学部, 助教授 (80011659)

キーワードマウス / 子宮 / プロテクチン / 増殖因子 / エストロゲン / プロテア-ゼ
研究概要

哺乳類の生殖活動に必要不可欠な子宮の成長と機能発現を制御する液性因子について研究を行った。
(1)マウスを用いて子宮頚管部に近いところを結紮し、子宮内腔に分泌される体液の分析を試みた。電気泳動法により内容物特にペプチドに注目して分析を行ったが、はっきりした特定の物質を同定することは出来なかった。EGFなど既知の増殖因子は存在したが、これまで知られていない新しい因子は発見できなかった。
(2)マウス子宮内に同系マウスの下垂体を移植することで、子宮の異常増殖である腺筋症を誘発させ、DNA合成に関与する二種類の酵素、サイミイジレ-ト合成酵素とサイミジン転移酵素の活性を調べたところ、子宮腺筋症を起こした子宮は対照群に比べて、これらの酵素活性が二倍以上、上昇していることが判明した。そこでこの系を用いて(1)と同様の実験を行ったが、新しい活性物質を検出するには至らなかった。
(3)ペプチドホルモンや活性ペプチドなどを代謝して不活性化するといわれる酵素、プロリルエンドペプチダ-ゼとジペプチジルペプチダ-ゼの活性を調べたところ、前者はエストロゲンにより活性が上昇,後者は下降することが明らかになった。しかし、上記の子宮腺筋症を併発し、盛んに増殖している子宮では、体内のホルモン環境に依存することなく、両酵素とも活性が対照群に比べて高いことが判明した。今後は子宮から直接新しい活性ペプチドを検出する攻略方法ではなく、ホルモン特に子宮の成長と機能を支配するエストロゲンにより誘導される酵素系について追求し、逆に特定の酵素の活性化から、子宮内で働く活性ペプチドを推定していく方法を とるつもりである。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takao MORI: "Coincidence of hyperimsalinemia and hyperglycemia after ectopic pitintary grafting in mice" Zoological Science. 8. 339-343 (1991)

  • [文献書誌] Takao MORI: "Induction of uterine adenomyosis by Rituitary grafting and retardation of its development by brimoーoriptineーmesilate(CDー154)in BALB/o mice" In Vivo. 5. 107-110 (1991)

  • [文献書誌] Tippaweon Singtripop: "Development of uterine adenomyosis after treatment with domamine antagonists in mice" Life Science. 49. 201-206 (1991)

  • [文献書誌] Takao Mori: "Animal model of uterine adenomyosis:Is prolactin a potent inducer of adenomyosis in mice?" Am. J. Obstet. Gynecal.165. 232-234 (1991)

  • [文献書誌] Hiroshi Nagasawa: "Efhects of 6ーmethylenetestosterone acetate on prolactin secretion in relation to mammary tumorigeneers in SHN mice" Proc.6th Kyto Prolactin Conf.6. 13-20 (1991)

  • [文献書誌] 守 隆夫: "実験動物の多面利用ー乳癌子宮腺筋症,膵腫瘍を併発するSHNマウスを例にー" 畜産の研究. 45. 135-142 (1991)

  • [文献書誌] 窪川 かおる: "ホルモン実験ハンドブックI飼育と手技" 学会出版センタ-, 218 (1991)

  • [文献書誌] 窪川 かおる: "ホルモン実験ハンドブックIII実験のモデル" 学会出版センタ-, 181 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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