研究概要 |
●ノズル内気液2相流を作り出す垂直ブロ-ダウン風洞実験装置を作成し、うまく作動することを確認した。水を用い、混入気体流量と真空槽圧力(主流のボイド率と液相流速に対応)を変えて実験を行った。 ●ストロボ写真を用い、各実験条件について、各測点における気泡の変形・偏流の様子を調べた。さらに2重露光写真により、気泡の局所速度を測定する方法を確立した。 ●半導体圧力変換器により、ノズル軸に沿った壁上の測点で圧力を測定し、平均値、変動の強さ、変動のパワ-スペクトル密度関数を算出するデ-タ処理プログラムを作成し、実行した。 ●いくつかの気泡流モデルに基ずき、ノズル内気泡流の準1次元定常解を数値的に求め、ボイド率、気泡寸法の相違による気泡流の加速特性、特に速度滑り特性を調べた。定常解に、ノズル上流のある位置で、ある時刻から圧力の周期変動を加え、その後の伝播および成長・減衰の様子を調べた。 ●ガスインゼクタ-、ストロボ測定系の工夫により、微小・均一気泡の発生、気泡の変形・偏流の鮮明な可視化に成功した。減圧・加熱水,nーペンタンによる実験を開始した。 ●初期値問題に適切な(複素特性曲線を与えない)体積中心速度に関する気相の運動方程式を用いるモデルは、ノズル流れに対して局所キャビテ-ションを生じ、実験結果に合わない。定常・準1次元流れに局所圧力変動を加えて、変動のその後の伝播・成長を調べる方法は、観測される圧力変動の特性と定性的に(一部定量的に)一致する。 ●蒸発・凝縮、気泡の核化を伴う流れの実験、および解析モデルの構成、それによる波の分散特性、ノズル流れの計算は、現在進行中であり、近く、論文および著書として公表する準備を進めている。
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