研究課題/領域番号 |
02805021
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
林 巌 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (80016790)
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研究分担者 |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00220632)
岩附 信行 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70193753)
林 輝 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40016762)
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キーワード | モ-タ / ロボット / 圧電アクチュヒ-タ / サイクロイド減速機 |
研究概要 |
将来宇宙開発が進展するに伴って、宇宙空間で人間の代わりに複雑な作業を行うロボットの開発が重要になってくる。このようなロボットに用いられるアクチュヒ-タとして、現在、電磁式アクチュヒ-タや油空圧アクチュヒ-タが一般的に使用されているが、近年圧電/電歪アクチュヒ-タを応用した新しい超音波モ-タが実現されつつある。しかしこの超音波モ-タは、1)応答性がよくかつ制御性がよい、2)(パワ-/重量比)が高い、3)磁場を発生しない、などの優れた長可を持つ反面、4)高周波電源が必要、5)耐久性に問題がある、などの短所を持つ。従がって、本研究ではこのような摩擦駆動によるモ-タの代わりに、効率ならびに回転精度の高い歯車駆動を用い、超磁歪材を駆動要素とする新しい回転型精密アクチュヒ-タの開発を試みた。初年度は、超磁歪材を直接組み込むことが困難であったので、駆動要素を積層圧電素子で置き換えた同じ原理の回転型アクチュヒ-タを製作し、種々実験を行い性能につき検討した。その結果、以下の点が明らかになった。1)提案した駆動原理により、積層圧電素子の伸縮運動が回転運動に変換されて連続したロ-タの回転が得られ、モ-タの実現が可能である。2)モ-タの回転数は、駆動周波数20Hzのとき15rpmとなり、理論計算値とほぼ一致する回転数が得られた。3)モ-タの出力トルクは、どの回転数でも最高0.014Nmであり、ほぼ理論計算値と一致する値が得られた。また、どの回転数でも最大出力トルクまで安定した回転を保つことがわかった。4)モ-タの効率は、回転数とともに上昇し、約16rpmのとき、最大26%に達した。この実績を基に次年度の研究を進展させる予定である。
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