本年度の研究では量子状態制御通信における以下の有効な結果が得られた。 1.量子状態制御をおこなうデバイスとなる縮退パラメトリック増幅器の特性を明かにし、スクィズド光生成時の物理パラメ-タとの関係を明かにした。 2.同様に光双安定を用いて量子状態制御をおこなった場合に、広帯域にわたって量子雑音を制御するための条件を明かにした。 3.量子状態制御通信において符号化の技術を用いることにより、通信路の損失によって失われる優れた特性を回復できることを確認した。 4.量子状態制御光(スクィズド光)が通信路で損失を受けた場合の光子統計分布を明かにし、従来考えられていた現象とは異なる特性を示すことが明らかになった。 5.前年度提案した受信側量子状態制御通信において光子計数受信機、量子最適受信機に対する誤り率を導出し、その結果、受信側量子状態制御通信の限界特性を明かにした。 以上、将来の量子状態制御通信実現に対する研究において貴重な結果を得た。
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