集積回路技術のめざましい発展により、あらゆる分野でコンピュ-タが利用され、膨大なコンピュ-タパワ-が必要となってきた。今後、ス-パ-コンピュ-タの分野ではテラ・フロップス時代に向けて超高速コンピュ-タとしての超並列システムおよび大規模シストリックアレ-の出現が切に期待されている。さらには、学習機能をもった大規模ニュ-ロ・コンピュ-タの実現の可能性もある。これらの超並列コンピュ-タア-キテクチャの基本問題の解決の重要な技術の1つがウェ-ハスケ-ル・インテグレ-ションWSIである。WSIは、冗長化回路ア-キテクチャによる欠陥救済技術により高機能システムをウェ-ハ上に集積する技術である。 本研究の目的は、WSI技術により一枚のウェ-ハ上に多数プロセッサを構成し超並列システムを作る新しいプロセッサ構成方式を明かにすることである。研究代表者等は、計算機処理の基本操作として用いられているソ-ティングをWSI技術で実現する新しいプロセッサ構成方式をすでに提案し、さらにハイブリッド型構造を新しく提案した。このハイブリッド型ア-キテクチャは、ソ-ティングを高速に処理するシストリックのアルゴリズムと超高密度化した多数のプロセッサ内での故障を考慮に入れたフォ-ルト・トレランス・ア-キテクチャを有する。そのため、ウェ-ハ上の多数のプロセッサ間の結線に要するワィアリングの面積を小さくでき、プロセッサ間の同期問題を解決できることが分かった。また、FFTなど超高速化が必要な分野においてもハイブリッド型構成は、多数のプロセッサ内での故障を考慮に入れたフォ-ルト・トレランス・ア-キテクチャに最適であることを明らかにした。本研究では、更に格子型結合および超立方結合を基にしたキュ-ブコネクテッドサイクルCCCと呼ばれる巡回型キュ-ブ結合1枚のウェ-ハ上で構成する場合の新しい構成法を提案し、その性能について議論した。その結果、提案したア-キテクチャは多数のプロセッサからなる格子結合型マルチプロセッサシステムにおいて有効で、格子型結合の再構成が可能で他のネットワ-クに応用できることが分かった。また、提案した巡回型キュ-ブプロセッサ結合のWSIア-キテクチャは、従来から提案されている構成法に比較して優れていることを明かにした。
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