本研究は、都市内街路における交通制御システムの高度化を図るために、信号制御パラメ-タの最適化等の問題に対して、ニュ-ラルネットワ-クモデルの適用性を検討したものである。 次に、交通制御パラメ-タの最適化問題に対して階層型のニュ-ラルネットワ-クモデルの導入を行い、学習方法、最適化法、およびモデル構造に関する検討を行っている。まず、交通制御パラメ-タの中のスプリットの最適化を例として、最適解が得られるまでの学習と最適化の手順を確立するとともに、ロ-カルミニマムを避けるための手法の提案を行っている。また、ニュ-ラルネットワ-クモデルのネットワ-ク構造と学習能力に関する分析を行い、望ましいネットワ-ク構造を明らかにしている。さらに、オフセットの最適化を可能とするとともに、交通状況の変動に事前に対処出来るようにするために、スプリット、オフセット、および流入交通量の3つの入力経路を有するモデルの提案を行っている。そこでは、入力経路の結合方法から4つのタイプを比較検討し、学習精度と学習時間に優れたモデルを構築している。 次に、交通配分問題に対して相互結合型のネットワ-クモデルの適用を行い、道路容量、および走行速度の交通量依存性を考慮したモデルの定式化を行うとともに、妥当な数値解が得られることを確認している。
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