1.金、銀、コバルトの吸着溶離および金とコバルトの選択吸着分離 コバルトの藻類への吸着率は中性付近で高く、酸性で低い。溶離率はその逆である。従って陽イオン交換反応的吸着と思われる。金の吸着率は酸性において高いので陰イオン交換反応的吸着と思われる。銀の吸着は陽イオン交換反応的と思われるがコバルトのように明快ではない。金の溶離はpHの調節だけでは不可能で、溶離剤が必要であった。こんぶ、わかめ、うみとらのおはコバルトの吸着力が大きく、クロレラとスピルリナは金の吸着能力が大きかった。金コバルトの混合水溶液から酸性域において金を選択吸着することができた。 2.白金、クパラジウムの吸着 酸性域において吸着率が高く、クロレラ、スピルリナの吸着能力が大きかったので、金の吸着の場合に類似していたが、少し複雑であった。 3.希土類の吸着およびサマリウムとコバルトの選択吸着分離 サマリウム、ネオジム、イットリウム、ランタンおよびガリウムの塩化水溶液からの藻類への吸着率は、酸性において低く、中性において高かった。しかしスピリルナへの吸着率はpH4付近で極大を示した。従ってスピルリナによりpH4付近でサマリウムとコバルトの優先吸着分離を行うことができた。 4.ひ素の吸着 ひ素の吸着はpH2付近からやっと認められるようになり、pH1以下でやや顕著に認められた。 5.カドミウムの吸着 カドミウムの藻類への吸着はコバルトの吸着に類似したものであった。 6.ミニカラムを用いた金属イオンの連続吸着 塩化金酸イオンを含有する水溶液を藻類を充填したミニカラムに定量ポンプで通液して連続吸着させた。その結果、基本的には、上記1.のバッチテストの成績が再現された。
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