研究課題/領域番号 |
02805098
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
碇山 義人 東京工業大学, 生命理工学部・生物工学科, 助教授 (10202847)
|
研究分担者 |
篠原 寛明 東京工業大学, 生命理工学部・生物工学科, 助手 (60178887)
相澤 益男 東京工業大学, 生命理工学部・生物工学科, 教授 (00016742)
|
キーワード | 融合タンパク質 / メタピロカテカ-ゼ / プロテインA / 酵素免疫測定 / 免疫計測 |
研究概要 |
本研究は遺伝子組み替え技術によって酵素とプロテインAの融合タンパク質を大量に得ること、そしてこの両者の機能を有するタンパク質を用いて高感度免疫測定が可能になることを明らかにすることを目的として行った。この目的のために化学増幅活性の大きなメタピロカテカ-ゼと抗体結合能を有するプロテインAの融合タンパク質の作製を行い、得られたタンパク質を用いて酵素免疫測定を行った。 その結果、以下のような研究実績を得る事ができた。 1)メタピロカテカ-ゼの遺伝子とプロテインAの遺伝子を連結し、融合タンパク質の発現ベクタ-プラスミドを作製することができた。 2)このプラスミドにより大腸菌を形質転換し、メタピロカテカ-ゼープロテンA融合タンパク質を菌体内で大量に産生させる事ができた。 3)得られた融合タンパク質は、メタピロカテカ-ゼの酵素活性とプロテインAの結合能力を有する新規なハイブリッドタンパク質である事が示された。 4)融合タンパク質は両タンパク質化学量論的に1:1の割合で結合しているため、抗原抗体反応の立体障害となりにくい事が示された。 5)融合タンパク質は分子量が小さいために、免疫測定の際固相への非特異的吸着が少なく、測定の高感度化に有利である事が示された。 6)モデル抗原として牛血清アルブミン(BSA)の酵素免疫測定を行ったところ、10^<ー3>から10^<ー7>g/mlの範囲で微量抗原を検出する事ができた。 以上のように本研究で得られたメタピロカテカ-ゼープロテインA融合タンパク質は、酵素免疫測定用の試薬として有用である事が明らかになるとともに、高感度な免疫計測に適用できる可能性が示唆された。
|