本研究における主な概要は次のようである。 Si:Al比を変え、酸及び塩基触媒による複合アルコキシド(珪素、アルミニウム、チタン)のゲル化に伴う媒体の極性、媒体の粘度変化等を1ーナフト-ルで、錯体形成も含めてを蛍光プロ-ブとして調べた。Al量が必ないときにはゲル化は比較的遅く、媒体の極性増とミクロ環境における粘度増は比較的早いが、Al量が増すと逆の挙動を示した。酸触媒系では加水分解反応が急速に進み、それに続く縮重合反応が律速段階であった。一方、塩基触媒系では、縮重合反応が早く、加水分解反応が律速段階であった。さらに、Al量を多くすると、ゾル-ゲル反応を酸触媒で行っても珪素のみの場合と異なり、透明ゲルが作製された。1ーナフト-ルおよび3種のベンゾキノリンはゾル-ゲル反応過程におけるミクロ環境を反映する良いプロ-ブであることを明らかにした。 光エネルギ-が熱エネルギ-へ変換されるその瞬時においては、熱放出分子の周辺は非常な高温となり、カプセル化された分子の熱分解反応が生じる可能性がある。ロ-ダミンBとフルオレセインは珪素のみのゾル-ゲル反応によりーOーSiーOーネットワ-クを有すルキセロゲル中にカプセル化することにより、空気雰囲気中より熱安定性が大きく増した。フルオレセインはカチオン種、アニオン種、ジアニオン種等の分子種として吸着された。被覆率増により2量体からの発光の可能性を指摘した。 SiーTiやSiーAl複合系キセロゲル中において、ピレンのエキシマ-様蛍光が出現する。前者中では、ピレンはTi^<3+>近傍に2分子吸着されるが、後者ではAlとのピレン1分子との錯体形成がその原因であると指摘した。ロ紙に吸着されたピレンはモノマ-蛍光とエキシマ-様蛍光のハロゲン化アルカリによる消光を調べ、Li<Na<KおよびCl<Br<Iであり、モノマ-蛍光はエキシマ-蛍光より強く消光されることを示した。
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