研究課題/領域番号 |
02806004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
糸賀 黎 筑波大学, 農林学系, 教授 (40114037)
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研究分担者 |
佐藤 俊 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (00114497)
天田 高白 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (80114031)
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10111361)
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キーワード | 地理情報システム(GIS) / 環境資源 / 自然環境の総合評価 / 環境配慮指針 / 持続可能な利用・開発 / リゾ-ト開発 / 経済的インセンテイブ / 住民運動 |
研究概要 |
本研究の目的は、環境資源の持続可能な保全・活用のあり方を検討するため、(1)地理情報システム(GIS)を用いた環境資源の総合評価を行ない、(2)持続可能な保全・活用を実現するための経済的・社会的インセンテイブについて考察するものである。石川県白山国立公園山麓・河内村を主たる研究対象とした。まず、環境資源の客観的総合評価として(1)崩壊危険性(2)植生自然性を分級し、(3)自然保全性として重ね合せ評価した。次に、住民意識の評価のため、住民が利用し、保全・活用したいと考えている環境資源をヒアリングによりプロットし、これを植生図、地形図、土地利用図を用いて客観的に住民意識図として図化した。これと自然保全図を重ね合せ、5段階に総合評価し、環境配慮指針ベ-スマップとした。GIS利用により多数の主題図の作成と煩雑なテストや重ね合せ処理の繰り返しが容易になり、有効な環境資源の総合評価が可能になった。 以上のような環境資源の総合評価に基づく分級によって、環境配慮指針をベ-スにした開発ー保全ー保護という土地利用区分のあり方が明らかになる。これによって、環境資源の開発・活用を考えれば、生物資源の持続性、種の多様性、地域の生態的健全性が維持できることになる。一方で、保護・保全を達成するためには経済的・社会的インセンテイブを地域の環境管理に組み込む必要がある。特に、リゾ-ト開発や地場産業振興といった経済的インセンテイブを組み込むのに、本研究で明らかにしたGISを用いた環境資源の評価手法が有効と思われる。しかし、2ケ年の萠芽的研究においては、(1)の地理情報システムを用いた環境資源持続的利用のための総合評価に重点がおかれ、(2)の計済的・社会的インセンテイブに関する考察は序論的研究に終り、今後の研究課題として残された。
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