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1991 年度 実績報告書

グリコシラ-ゼの新規反応触媒能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02806014
研究機関北海道大学

研究代表者

松井 博和  北海道大学, 農学部, 助手 (90109504)

キーワードグリコシラ-ゼ / αーグルコシダ-ゼ / ガラクトシダ-ゼ / グルコアミラ-ゼ / βーグルコシルフルオライド / アノマ-型 / 反応機構 / 水和反応
研究概要

近年、著者はグリコシラ-ゼが本来の作用水解部位であるαーグルコシド結合を持たないDーグルカ-ル,Dーグルコオクトエニト-ルに作用し,水和反応を触媒する新規な作用能力を発見し,グリコシラ-ゼは基質のアノマ-を厳格には認識しないと言う新しい概念を導くに至った。したがって,もしアグリコンが酵素に立体障害をもたらさない程に充分小さければ,本来のαー型基質に作用する酵素はβー型基質にも作用し得るものと仮定し本研究を企図した。得られた成果の概要を下記する。
1.Aspergillus nigerからαーグルコシダ-ゼを結晶状態に精製し,種々の基質に対する速度パラメ-タ-を算出し,基質特異性を厳密に評価した。同時に,サブサイト親和力を算出し,主として3つのサイトよりなることを明らかにした。
2.βーglucosyl fluorideを合成し,結晶Aop.nigerαーグルコシダ-ゼを作用させたところ,Fの遊離を認め,一方グルコ-スはNMRによりαー型であることを確認した。このCーF切断反応はマルトトリオ-スによって阻害されることを明らかにした。
3.αーglucosyl fluorideの[1ー^2H],および[1ー^3H]と[6ー^<14>C]同位体置換体を合成し,グルコアミラ-ゼとグルコデキストラナ-ゼ反応のアイソト-プ効果を調べ,これらの反応はカルボニウムイオン中間体を形成するものであることを実証した。
4.Dーgalactal,Dーgalactoーoctenitol にガラククトシダ-ゼを作用させ,NMR解析したところ,水和反応が触媒されることを認めた。
5.テンサイおよびコメ起源αーグルコシダ-ゼについてβーglucosyl fluoride作用能を調べ,これら酵素もβー型基質のCーF切断を触媒することを確認した。これら事実から,一般にグリコシラ-ゼは基質のアノマ-を厳格には選択しないと言う結論に達することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] E.J.Hehre: "Hydrolysis of βーDーglucopyranosyl fluonide to αーDーglucose catalyzed by Aspergillus niger αーDーglucosidase" Carbohydrate Research(Carbohyd.Res.). 198. 123-132 (1990)

  • [文献書誌] Akihiko Kita: "Substrate specificity and subsite affinities of crystalline αーglucosidase from Aspergillus niger" Agricultural Biological Chemistry(Agric.Biol.Chem.). 55. 2327-2335 (1991)

  • [文献書誌] 松井 博和: "アイソト-プ効果によるエキソーαーグルカナ-ゼの反応機構の解析" 澱粉科学. 38. 181-185 (1991)

  • [文献書誌] W.Weiser: "Stereochemistry ot Dーgatactal and Dーgalactoーoctenital hydration by coffee bean αーgalactosidase:Jnsight into catalytic functioning of the enzyme" Anchives of Biochemistry and Biophysics(Anch.Biochem.Biophys.). 292. 493-498 (1992)

  • [文献書誌] Atsuo Kimura: "Evidence for a single catalytic site of honeybee αーglucosidase I by chemical modification with diethylpyrocarbonate" Journal of Biochemisty(J.Biochem.). (1992)

  • [文献書誌] Hirokazu Matsui: "Hydrilysis of the“wrong"Dーglucosyl fluoride anomer with inversion,promoted by glucosidases:New evidence for separately controlled“plastic"and “conserved"phases in glycosylase" Journal of Biological chemistry(J.Biol.Chem). (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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