• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 研究成果報告書概要

プロレニン放出促進物質の精製と,その生化学的諸性質の検討

研究課題

研究課題/領域番号 02806016
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用生物化学・栄養化学
研究機関岐阜大学

研究代表者

鈴木 文昭  岐阜大学, 農学部, 助教授 (90115410)

研究期間 (年度) 1990 – 1991
キーワードプロレニン / レニン / 放出 / ラット / 腎臓 / 放出促進 / 分泌 / スライス
研究概要

レニンは血圧調節を司るレニン・アンギオテンシン系でのキ-エンザイムである。最近血液中にレニンの不活性前駆体であるプロレニンの存在が明かとなってきた。しかもその血液中の濃度はレニンの4倍以上高いという報告もある。しかし、その生理作用、不活性保持機構等については、ほとんど明かにされていない。私達は最近、プロレニンの不活性保持機構を明かにする手始めとして、ラットレニンcDNAを動物細胞に組み込んでプロレニンの発現生産系を確立するとともに、プロレニンの生理的機能を明かにする手がかりとして、ラット顎下腺においてプロレニン放出促進物質の存在を観察してきた。本研究ではラット腎臓スライスおよびラットプレプロレニンcDNAを組み込んだ動物細胞(チャイニ-ズハムスタ-卵巣細胞)を用いたプロレニン放出促進物質(PRS)の生化学研究を通して、プロレニンの分泌調節機構の一端を明かにしようとした。
ラットの顎下腺50g(100匹分)より、ベンザミジンセファロ-スカラム、陽イオン交換カラム、電気泳動、ゲルロ過を組合せて、約200μgのプロレニン放出促進物質(PRS)を精製した。本研究では、精製を迅速に行うために、最終ステップ以外におけるPRSの同定はSDSー電気泳動による分子量28,000のバンドによった。その等電点は8.7、PAS染色で陰性であり糖鎖構造は持たないと思われる。現在、PRSの全アミノ酸配列は現在も分析中であるが、N末端側からLeuーSerーGluーGluーXー・・・・の4残基の配列を決定することができた。
5x10^<-9>MのPRSはラット腎臓スライスからのプロレニンの分泌を50%増加させたが、動物細胞からの分泌には何ら影響を与えなかった。一方、既に腎臓スライスからのプロレニン放出を促進することがウサギで報告されているベラパミル(カルシウムチャネルの阻害剤の1つ)については、1x10^<-4>Mの濃度で、ラット腎臓スライスからのプロレニン分泌を50%増加させ、動物細胞からプロレニン分泌を20%減少させた。
以上本研究により、分子当たりのプロレニン分泌促進はPRSの方がベラパミルより約20,000倍高く、またPRSはプロレニンcDNAを組み込んだ動物細胞よりも腎臓スライスに対して、より特異的に作用することが明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fumiaki Suzuki et al.: "Proteint prorenin-releasing-stimulator(PRS)in the rat submendibular gland" FEBS Lett.256. 47-50 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fumiaki Suzuki et al.: "Ren-2 as well as Ren-1 senin exists in the kidney and plasma of a two-renim gene mouse" Agric.Biol.Chem.54. 2407-2412 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Masayuki Hosoi et al.: "Similarity between physico chemical properties of recombinant rat prorenin and rative inactive renin." Biochem.J.275. 727-731 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fumiaki Suzuki et al.: "Proteinic prorenin-releasing stimulator (PRS) in the rat submandibular gland." FEBS Lett. 256. 47-50 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Fumiaki Suzuki et al.: "Ren-2 as well as Ren-1 renin exists in the Kidney and plasma of a two-renin gene mouse." Agric. Biol. Chem.54. 2407-2412 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Masayuki Hosoi et al.: "Similarity between physicochemical properties of recombinant rat prorenin and native inactive renin" Biochem. J.275. 727-731 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1993-03-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi