研究概要 |
Nーアセチルラクトサミン(Galβ1→4GlcNAc)は、糖タンパクや糖脂質のオリゴ糖鎖のコア-構造を構成する重要な代表的二糖として知られている。そこで本二糖ならびに関連オリゴ二,三糖の効果的でしかも簡易な合法の開発を目指した。 1)Bacillus circalans由来のβーDーガラクトシダ-ゼの糖転移反応を利用しNーアセチルラクトサミンの実用的合成ル-トを開発した。本酵素はラクト-スからβーDーガラクトシル転位をNーアセチルグルサミンの一級水酸基よりも二級水酸基(OH4)へ優先させた。リン酸緩衝液、pH5中0.5Mラクト-スと1.0MNーアセチルグルコサミンを本酵素と反応させるとNーアセチルラクトサミンが活性炭ーセライトカラムクロマトグラフィ-によりグラムスケ-ル(収率はNーイセチルグルコサミンあたり23.2%)で容易に合成・単離できた。 2)上記の成果を踏まえ、B.circulansのBーDーガラクトシダ-ゼによる糖転移反応の利用が2ーアセトアミドー2ーデオキシーDーヘキソ-スを含んだβー(1→4)結合した二糖、三糖の合成へと向けられた。本酵素を用し、Nーアセチルグルコサミン(GlcNAc)及びNーアセチルガラクトサミン(GalNAc)を受容体基質としてラクト-スと反応させると、βー(1→4)結合したガラクトシルーオリゴ糖を一段階調製で行なうのに充分に効率的な反応であった。本酵素でのβーDーガラクトノル転移は、水酸基の配向に関係なくGlcNAcとGalNAcのCー4位に優先的に起こった。 3)ニワトリ卵白リゾチ-ムを用い,Nーアセチルージキトビオ-スを供与体,Dーマンノ-ス(Man)を受容体基質として高基質濃度下反応を行なうと、供与体基質あたり13.5%の収率でオリゴ糖鎖単位の一つである4ーoーβーNーアセチルグルコサミニルーDーマンノ-ス(GlcNAcβl→4Man)を得ることが出来た。
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