研究概要 |
1)Debaryomycesおよびそれに関連する子のう酵母18株のリボゾ-ムRNAの部分塩基配列を調べた。Debaryomyces speciesの全ての菌株はsingle groupを構成した。2bS rRNAのposition493ー622(130塩基)の領域では,Debaryomycesは79ー99%のmaximum homologyを示した。Debaryomyces speciesのTorulaspora globosa,Yamadazyma,philogaeaに対するmaximum homologyは71ー78%,81ー87%で,それぞれ,あった。2bS rRNAのPosition1611ー1835(225塩基)での塩基の相違数は5ー0(Debaryomyces内)であった。Debaryomyces speciesのT.globosa,Y.philogaeaへの塩基の相違数は15ー13,10ー8で,それぞれ,あった。18S rRNAのposition1451ー1618(168塩基)の部分塩基配列では,Debaryomycesは2つのsubgroupに分割された。第1のsubーgroupにはD.hansenii(基準種),D.melissophilus,D.udeniiなどが,第2のsubgroupにはD.castellii,D.polymorphus,D.yamaーdaeなどが含まれた。両subgroupでの塩基の相違数はわずかに1であった。Debaryomyces speciesのT.globosa,Y.philogaeaへの塩基の相違数は5ー4,1ー0で,それぞれ,あった。D.tamariは系統的に全く離れた存在であり,Debaryomycesからはずすべきものと考えられた。2)Kurtzmanomyces Yamada et al.に第2の種,K.tardus GimenezーJurado et van Udenが,最近,記載された。本種の2bSおよび18S rRNAの部分塩基配列を求めた。2bS rRNAのposition 471ー626(157塩基)基)でのK.tardusのK.nectairei(基準種)に対するmaximum homologyは72%であった。18S eRNAのposition1451ー1618(168塩基)の部分塩基配列では,前者の後者に対する塩基の相違数は7塩基であった。以上の結果は,新種,K.tardusに対して,新属が与えられることを示す。
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