研究概要 |
大腸菌におけるEー1のジ-ンライブラリ-の作成と活性発現:Eー1の構成菌でPEG分解を行うFlavobacterium sp.の全遺伝子(XhoI消化断片)をコスミドべクタ-pVK102(mob+)に挿入し、大腸菌HB101およびS17ー1(tra+)に形質導入して、ジ-ンライブラリ-を作成したが、大腸菌で分解は発現しなかった(PEG生育)。また、PEG脱水素酵素活性をリゾチ-ム処理菌体で測定したが、十分な酵素活性は検出できなかった。このFlavobacterium sp.は外来DNAの分解活性が強く、将来PEGー株を宿主として用いるには不適当と考えられる。 PEG脱水素酵素のアミノ酸配列の決定とプロ-ブの作成:上記のように、PEG生育によるクロ-ン検索が難しいので、PEG脱水素酵素を既知の方法で精製し、末端アミノ酸配列を決定し、これよりプロ-ブを作成した。これを用いてPEG脱水素酵素遺伝子のクロ-ン検索を行い、サブクロ-ニングを試みる。 大腸菌における203のジ-ンライブラリ-の作成と活性発現:PEG4000資化菌203のジ-ンライブラリ-を作成した。本菌はプラスミドを所有しないのと、外来DNAを分解しないので、将来PEGー宿主として使える可能性が高い。本菌の全DNA(Sal I断片)をEー1と同様にコスミドベクタ-につなぎ、大腸菌S17ー1に入れて、ジ-ンライブラリ-を作成したが、PEG生育を指標とするクロ-ン検索では、活性発現は認められなかった。 PEG資化菌の再同定 化学分類法に基づく再同定を行い、4000以上の資化菌(20,000資化菌ではPEG分解者)はすべてSphigomonas属とみなされたが、基準株7株はPEGに全く生育しなかった。1000以下の低分子資化菌はPseudomonas属またはAlcaligenes属と判定された。
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