研究概要 |
交付申請書研究室施計画に従って、チャ葉緑体中の開裂酵素(HPOLyase)即ちリノ-ル酸(1),αーリノレン酸(2)およびγーリノレン酸(3)のような分子構造の中に1z,4zーペンタジエン系構造をもち広く緑葉に存在する不飽和脂肪酸が酸素添加酵素(LOX)によって生成した13ー(S)ーもしくは9ー(S)ーヒドロペルオキシドの12ー13位もしくは9ー10位間の炭素一炭素結合を開裂してC_6グル-プやC_9グル-プのみどりの香り、前者は緑葉、後者は果実・野菜のみどりの香り、を生成する酵素を精製することに成功した。このように葉緑体チラコイド膜に結合している膜酵素を精製したのは世界ではじめてである。その結果本酵素は分子量55KDで(1)〜(3)の開裂活性は100,107および7%であった。その地本酵素の性質を明らかにした。次にLOXやLyaseに対する酵素の基質特異性を検べるためαーリノレン酸のようなトリエン系でw12位以下の炭素鎖長を変えた構造異性体を合成した。そしていずれも95%以上の純度に精製し、目下これらを用いて基質特異性を検べている。以上の成果は前者はPhytochemistry(裏面)と後者についてはZ,Naturforschg、(裏面)に詳細な研究成果を発表した。
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