農林水産省(就業改善課、国際協力課など)は農業関係機関(全国農業会議所、全国農協中央会)と国際農業研修受入れのために、検討協議会を定期的に開催している。しかしながら、受入窓口が多局分散化しているために、具体的な制度改正の提言は困難な状況である。こうした状況は都道府県レベルでも同様である。北海道では、民間を含めた受入窓口の一本化を図り、実績・効果を上げつつある。 なお、農業研修制度の場合には労災保険の適用は受けられないので、傷害保険を別途義務付けることが必要であるが、望ましい方向には進んでいないようである。また、国内の研修の場合と同様に、研修謝礼・生活環境整備などの面で、受入れ農家間にバラツキがみられ、トラブルの原因となっている。今後、アンケ-ト調査・事例調査の実施によって実態を明らかにする。 平成2年度には、専門知識の提供を受けるために研究会を2回行なった。平成3年度においても、労働経済学および国際法・入国管理関連の専門家から情報提供を受けるために、研究会を数回開催する。 なお、当初計画の研究分担者・松木洋一が、平成3年度からオランダに2年間にわたり海外留学研修に行く予定である。国内における研究継続が困難であるため、分担者から外すこととした。したがって、秋山が松木の研究分担課題を合わせて行なうこととしたが、最終報告書作成は、両者の協力に基づき海外の最新情報をも盛り込んだ充実した内容になるであろうと思われる。
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