研究概要 |
本研究は,ライスセンタやカントリエレベ-タなどの,いわゆる共乾施設について,その計画・運営・管理のための総合的な支援システムの開発を目的とするものである。本年度は3ヶ年計画の2年目であり,以下のような研究成果を得た。 1.籾の荷受工程の分析:共乾施設の運用で最も重要な荷受作業について,実在するカントリエレベ-タにおいて実態調査を行ない,統計分析を実施した。主な分析項目は,(1)荷口変動,(2)荷受重量,(3)荷受籾水分についてである。 2.シミュレ-ションモデルの検討:上記の結果に基づいて,シミュレ-ションを構築するためのモデルを作成した。すなわち,荷口変動と荷受重量については,ア-ラン分布で近似可能であることが明らかにすることができた。ア-ラン分布の位相値を2と仮定し,変動確率密度分布を求めたところ,実際の度数分布とほぼ近似した結果を得ることができた。 3.荷受工程についての待ち行列理論の応用:待ち行列理論を荷受工程に適用し,荷受口数および到着時間間隔モデルをポアソン分布で表現することができた。これに基づき,サ-ビス時間モデルならびにサ-ビス窓口モデルを設定し,分析を行なった。この結果,荷口の平均到着時間間隔が3.9分より大であれば荷受工程の待ち行列は安定した状態で進行することが明らかとなった。 4.荷受工程のシミュレ-ションモデルの策定:以上の得られた結果を応用し,シミュレ-ションモデルの策定を行なった。このモデルの検証を,現在分析中である。
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