本研究は、ライスセンタやカントリエレベータなどの、いわゆる共乾施設について、その計画・運営・管理のための総合的な支援システムの開発を目的とするものである。本年度は3ケ年計画の最終年度であり、以下のような研究成果を得た。 1.シミュレーションモデルの検証:前年度までに得られた実態調査を基に、シミュレーションモデルを構築し、試行を行なった。さらに、本年度の調査データを付加して適応精度の向上に努めた。この結果、荷受工程のシミュレーションモデルとして、アーラン分布で近似してよいこと、また、ポアソン分布による待ち行列理論を適用してよいことなど明らかとなった。基本的には、実測値と計算値はよく一致するといえたので、本研究の支援システムの軸としての体系化が可能となった。 2.支援システムの体系化構想の検討:上記で得られたシミュレーションモデルをシステムとして構築するための検討を行なった。すなわち、過去のデータ蓄積により、当該年の荷受予測を基本として、その年の作付条件、天候条件などの要因と利用予約申込から、荷受期間の数量予測や荷受待ち時間予測を行うことが可能であると考えられた。これらは共乾施設と生産農家との間で通信回線を利用することで予測精度も向上し、即応性のあるものとなる。このようなシステムは、現在共乾施設での重要な問題となっている多くの懸案を解消することが期待される。 3.研究成果のとりまとめ:以上を含め、研究期間に得られた成果をとりまとめた。
|