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1990 年度 実績報告書

生鉱物(耳石・骨・歯)におけるカルシウム動態の微細構造的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02807002
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

川真田 聖一  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30127641)

キーワードカルシウム / ピロアンチモン酸 / 生鉱物 / 炭酸カルシウム / 骨 / 脱灰 / X線微小部分析 / 組織化学
研究概要

骨などの生鉱物におけるカルシウムイオンの局在をしらべるため、次の2つの問題点を重点的に研究し、良好な結果を得た。
1.カルシウムイオンを組織内に正確に沈澱させる方法を検討した。その結果、従来のピロアンチモン酸法は固定が悪いうえに沈澱の局在も不正確であることが判明した。しかし、ピロアンチモン酸法にグルタ-ルアルデヒドを併用すれば、固定が改善され、沈澱の局在も生化学的なカルシウムイオンの分布と良く一致することを明らかにした。
2.薄切の支障となる炭酸カルシウムや骨は除去するが、ピロアンチモン酸・カルシウム沈澱物には影響を与えない脱炭方法を捜した。実験の結果、塩化アンモニウム溶液で処理する方法が良好であった。脱灰のメカニズムは、CaCO_3+2NH_4Cl=CaCl_2+2NH_3+CO_2+H_2Oと考えられる。炭酸カルシウムは完全に消失した。メカニズムは不明であるが、骨も一部脱灰されて試料を容易に切ることができた。残念ながら、歯には余り有効ではなかった。一方、カルシウムを含む沈澱は良く保存され、その局在を電顕で明瞭に観察できた。1と2の手技を併用して下記のことが明らかとなった。
(1)アマガエル内リンパ嚢の結晶を包んでいる有機物質の部位に一致して沈澱が観察された。
(2)哺乳類の内耳平衡斑では、耳石周囲に多量の沈澱が見られた。(1)、(2)の所見はこれらの結晶が付加的に成長することを示す。このデ-タは、私が他の方法で得た結論と良く一致する。また、魚類から哺乳類まで炭酸カルシウム結晶の形成機構が同じであることが推測された。
(3)ラットの骨において、骨芽細胞の粗面小胞体腔、破骨細胞の刷子緑や空胞様構造物に沈澱を認めた。現在上述の方法を用いて骨化のメカニズムや骨におけるカルシウム代謝を研究している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Seiichi Kawamata: "Fine structural changes in the endolymphatic sac induced by calcium loading in the tree frog,Hyla arborea japonica." Archives of Histology and Cytology. 53. 397-404 (1990)

  • [文献書誌] Seiichi Kawamata: "Localization of pyroantimonateーprecipitable calcium in the endolymphatic sac of the tree frog,Hyla arborea japonica." Archives of Histology and Cytology. 53. 405-411 (1990)

  • [文献書誌] Seiichi Kawamata: "Localization of pyroantimonateーprecipitable calcium in the vestibular organs of the rat and guinea pig." Archives of Histology and Cytology. 54. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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